第4話 マットレスが欲しい
流石と言うかこの世界の文化的水準は、地球でいうところの中世の後半という感じ。
魔法があるため魔道具と言う便利グッツで家電製品のような物があるが、現代の地球のような快適な環境はない。
一つにベッドだ、庶民は藁を敷き詰めた上にシーツを被せるだけ。貴族でもシーツが袋状になっており中身が藁から魔物の不思議素材に変わっただけ。
そのためスプリングという発想がなく固くて寝心地が悪い。
二つにトイレだ、庶民はボットン式にスライムがいるかどうかで、貴族はスライムが魔道具になっただけ。
そのため冬は冷たいし硬い紙で拭くのは痛い。
三つにお風呂だ、庶民は基本お風呂に入らない。冷たい水で体を拭くくらいだ、貴族はクリアの魔法とお湯を使って体を拭くくらいだ。
四つには、料理手段だ。
焼く、煮る、炒める以外の料理方法を見た事がない。
香辛料や塩胡椒も少ない。
五つには、下着のゴムだ。
この世界ではゴムが開発されていないようで、全て紐で調整するため、動きに邪魔になる事が多い。
庶民は女性でも下着をつけないものが多い。
六つには、食器類だ。
庶民は基本木の器とスプーン、貴族でも金属製の食器を使い程度で、ガラスや陶器が存在しない。
これらの状況は、現代社会で生きていた俺にとってとても我慢できる問題ではなかった。
森の中での生活なら話は別だが、人の街でこれなら俺は不満を解消することに自重をする気はない。
まずは、睡眠と食事それにお風呂とトイレを直ぐにでも改良することにした。
ーー 文明が飛躍する
お金が予想以上に手に入った俺は、家を借りることにした。
商業ギルドで話を聞くと
「良い物件があります、今から見てまわりますか?」
とすぐに良い返事をもらい、すぐに内覧に向かった。
5件ほどの物件を見た後、俺は
「ここにします。買い取るにはいくらかかりますか?」
と聞いたら
「金貨200枚です。」
と答えたので即金で支払い自分の家を手に入れたのだった。
敷地は焼く500坪、建物は地下1階地上2階の8LDK4Sに舞踏会でもするような広間が一つあり、玄関もかなり広いホールになっていた。
「中々の豪邸だな。」
と思いながらお風呂場にする部屋を決める、トイレは一階と二階に2つずつ。
お風呂場は横に脱衣場と洗濯室を設置、湯船となるバスタブは俺の錬金魔法で作り上げた一点ものだ。
当然シャワーもあり給湯は、水の魔道具と火魔法の応用で温度調整が自由だ。
トイレも洋式トイレを模してウォシュレット機能をつけた、トイレットペーパーは錬金術で特別に柔らかいものを作り備えた。
当選便座も暖かい。
調理場には、煮炊き用のかまどと魔道具のオーブンにコンロと蒸し器を設置、各種調理器具も錬金術で作り上げた。
調味料やスパイスなどは、街で購入したが品数が少なく品質が悪かったので、創造魔法で各種種を創造し畑に植えて魔法で即成栽培、その後製品化をして使っている。
さらにマットレスおよびソファーはスプリングを効かせた丈夫で肌触りの良い生地を創造魔法で作り、外見はこの世界の最高級の布地で隠していた。
下着や服についても、ゴムの気を促成栽培しゴム紐を製作、伸びる布地を創造魔法で作り型紙裁断で縫い上げた。
当然最高級の布地というのは、ムラサキが出す糸で作った布地で、何度か挑戦しているうちに伸縮するものが出来上がった。
獣魔達3人(?)にも人部屋ずつ部屋を与えて、必要な家具を揃えて与えた。
屋敷の管理をする者を雇うために
・執事
・メイド2
・料理人
・庭師
を雇うことにした。
その間にもギルドで売れなかったAランク以上の魔石と素材を王都のオークションに出品すると、白金貨300枚ほどで売れた。
これだけの金があればほとんど働く必要もないがそれでは面白くないので、幾つかの便利グッズを権利販売することにした。
「これが当ギルドにお売りいただける物ですか?」
商業ギルドのお偉いさんが、見本用の便座、マットレス用のスプリング、お湯を出せる魔道具を見せると興味を持って触ったりしていたがその有用性に
「是非我々にお願いします。契約金については後日お話しします。」
と言いながら現物を持ってすぐに帰って行った。
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