第24話 いつからいたの?
夜のスーパーへ到着し、中に入って行ったカタちゃんの後を追う――と、背後からなにかに引っ張られているような感覚があった。
気になって振り向くと、そこには銀色の髪をした全身タイツの少女が俺のシャツの裾を掴んで立っている。
「銀髪っ! なんで?」
「わたしも
「行きたくなったって、お前……それじゃあ、
「女は、いいって言ってた」
なんだかなぁ……ん? まてよ……銀髪の奴、ほぼ俺たちと同じ時間でスーパーに到着しているじゃないか。
全力で走ってきたのかな? だが、その割には汗一つかいていない。タイツの特殊能力でも使ったとか……。
「違うよ」
俺の心を読んだ銀髪は否定の言葉を口にする。
散々、注意をしても人の心を勝手に読む彼女に、なにも言う気が起きなかったので、そのまま会話を続けることにした。
「いつから俺たちの後をついてきていたんだ? 声をかけてくれたら良かったのに。全然、気がつかなかったぜ」
「二人がマンションを出てすぐには後ろにいた。集塵がカタとずっと話しているから声をかけるタイミングがなかったんだよ」
まさか、最初からついて来ていたとは……なんのホラーだよ。怖すぎるだろ。
「ハァ……お前なぁ、話しかけるタイミングなんて、どこかであっただろ……まあいいや、カタちゃんが中で待っているだろうし、もういくぞ」
「集塵、わたしは不安だ」
スーパーの中へと移動しようとしたそのとき、銀髪の気になる一言に、俺は足を止めた。
「不安? 不安ってなんだよ?」
「集塵はカタのことを、どう思っているの?」
「ど、どうって……その話か……なら聞くけど、そもそもどうしてあんなことを言ったんだよ」
「あんなこと?」
おいおい、部屋での一言を覚えていないとは言わせないぞ。
「言ってくれないとわからないなぁ」
「……なんというか、アレだ。カタちゃんが俺のことを……っていう話だよ」
「肝心なところが抜けていてわからない」
銀髪は意地悪そうな笑みを浮かべた。コイツ、絶対にわかっているだろ。まったく……。
「カタちゃんが俺のことを好きとかなんとかっていう話をしていただろ」
「うん。それで? 集塵はどうなの? カタのことは好き?」
「どうもこうもねーよ。カタちゃんは俺の妹みたいなものだし、そういう意味では好きに決まっている」
「ふーん。それじゃあさ、わたしのことはどう思っているの? 好き?」
「へ?」
――おいおい、唐突だな。銀髪までどうしたっていうんだよ。公園での五十嵐さんといい、なんだか、みんな今夜は変だぞ……。
※次回、第25話は10月22日(日曜)19時6分の公開となります。引き続きカタちゃんと銀髪ちゃんを楽しんでいただけましたら幸いです。
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