第10話 これからも気持ち良くして♡

 古賀さんが俺達住民に見られたくない物…。それはだった。


恥ずかしそうに話した彼女だったが、暴露したことで肩の荷が下りたようだ。

親密になるには、秘密を教え合うのも良いかもしれないな。


そんな中、金城さんが俺に「千恵美さんのおもちゃを見せてもらったら?」と言ってきた。興味はあるし、何事も実物を観るのが一番なので、古賀さんにお願いした。


彼女は一旦部屋に取りに戻り、そして今戻ってきたのだ…。



 「…これよ」

古賀さんは2種類のおもちゃを、ちゃぶ台の上に置く。


俺が手に取ったのは、〇マだ。無垢な子供が観たら“マイク”と思うかもな。


…スイッチらしいを見つけたので押してみると、そこそこ大きい振動音がする。


「これ、凄いね~。〇ーターの音とは大違い」

感心した様子で〇マを見つめる金城さん。


乾電池式なのか充電式なのかは知らないが、もったいないので早々に切る。

その後、再び机の上に戻す。


ディル〇は…、手に取る気はない。観るだけで十分だ。

そう思ったところ、金城さんが手に取る。


「千恵美さんは、実際にこれをんだよね?」


「そうよ。ちゃんと洗ってるから安心して」


「そういう心配じゃなくて…。ウチは入れる勇気ないわぁ…」


「あたしだって、すぐ入れる訳じゃないわ。〇マでほぐしてからよ」


前〇の後ということか。当然の流れだな。



 「倉くん。〇マをウチのに当てて」

そう言って、金城さんは〇字開脚をする。


彼女はズボンを穿いているので、パンツが見えることはないが…。


「さっき、みゆっさんが言ってたでしょ? 管理人の仕事の1つに『住民のヘルプに応じた行動』をするって」(8話参照)


「…はい」


「今のウチが出すヘルプは『気持ち良くして!』だよ。倉くんにとって、これは仕事なの。引き受けてくれないと困るな~」


金城さんが駄々をこねる。一応、筋は通っているけど…。


「しかし…」

当てる場所が問題だ。気軽に試して良いところではない。


「ウチが許可してるんだから、何も気にしなくて良いの。心配しなくても、は求めないから。…ね?」


「…わかりました」

管理人初の仕事が、こんなことになるなんて…。


「ウチが合図するまで続けてね」


「了解です」

俺は机の上にある〇マを手に取り、電源を入れる。



 俺は恐る恐る、〇マを金城さんのに当てる。


「これ、ヤバ!」


「大丈夫ですか? 止めます?」


「そういう意味じゃないから続けて!」

続きを要求されたので、該当部分に当て続ける。


……金城さんがそわそわ動き出す。落ち着きがない感じだ。


「〇マ最高♡ 〇ーターに戻れないわ~♡」

彼女は気持ち良さそうな顔で言う。


声のトーンもいつもと違うので、俺の興奮を誘う。

…古賀さんは、俺達の様子を黙って見つめている。



 そして、ついにその時が訪れる…。


「もう、そう…」

これはどういう意味だ? 合図の一種…じゃないよな?


「倉くん。止めちゃダメだからね!」

迷いが表情に出ていたのか、金城さんがクギを刺す。


「はい…」

クギを刺して間もなく、彼女は体を痙攣させたのだった…。



 「…ありがと、倉くん」

った後に横になった金城さんが体を起こし、俺を観る。


「いえ…。俺、本当に役に立ったんですか?」

ただ当てただけなんだが…。


「もちろん。自分でやるのとは大違い! これからもお願いするから」


気持ち良さそうな金城さんは、色っぽくいつもと全然雰囲気が違った。

そんな彼女を観るのは、悪くないけどさ…。


「千恵美さんも、やってもらったら~?」

俺達は、さっきから黙っている古賀さんを確認する。


「お願いしたい気持ちはあるけど、そこまで踏み込んで良いのかしら…?」


つまり俺達の関係が歪になるっていうか、“普通ではなくなる”ことを危惧してるのか…。彼女の気持ちはわかるので、俺は何も言わないつもりだ。


「それは千恵美さん次第だから、ウチはノーコメントで」

金城さんも同じか。余計なことを言うとばかり…。



 「さて、ウチは部屋に戻って寝るわ」

そう言って立ち上がる金城さん。


「あたしもそうする」

古賀さんも続く。


「こんな早くから寝るんですか…?」

まだ午前中だぞ。寝るどころか、これから多くの人が活動し始める時間帯だ。


「『婚活』すると、どうしても夜型になりやすいんだよ。日中働いてる男性が多いから、連絡を取り合うのは夕方以降が多いし…」


そういう理由なら納得だ。ちょっと昼夜逆転してるのだろうか?


「あたしは、昨日のストレスのせいで寝不足なの。お酒も残ってるし、ちょっとだけ昼寝させてもらうわ」


ストレスって、十中八九“胸”のことだよな…。古賀さんにそういう話は禁句にしておこう。そうすれば安全だ!



 2人が朝早く管理人室に来て酒を飲んだのは、予定がないからか。


支援金が支給されるから、婚活と買い物以外はずっと家にいる感じかな?

…2人とも眠そうだしプライベートに関わるので、訊きはしないが。


「じゃあね~、倉くん」

金城さんは俺に手を振った後、部屋を出て行く。


「倉式君。君とはもっと話したいけど、また後でね」


「ええ」

おもちゃを手に取った古賀さんも、部屋を出て行く。


管理人室の部屋に、俺1人残される。自宅からここに来るまで大変だったし、もあったからな。疲れを感じるから、少しだけ昼寝しようかな。


昨日、ベッドの存在は把握したが寝心地を確認してなかった…。

良い機会だ。夜の熟睡の前に、寝心地をチェックしよう。


そう思った俺は、早速ベッドに上がり横になるのだった。

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