立場
確かにそうだけどさ、そんな気がしたんだよ。と、僕は
『まぁヒロが決めた通りにしようか。何かありそうだったらいつでも虚無空間に戻れるし、アランは心の声と言動に差がないから、うちも信じていい人だと思うよ。ちなみにアランに悪霊っぽいのって憑いていたりする?』
ううんと心の中で
いやいや、そんな怖いものが憑いていたら困るのは僕の方だ。持ち帰るわけにもいかないし、この世界でも憑りつかれないように用心をしなきゃね。
「大輝?」
「ああすみません、急に変なこと言ったり
ユウはまた、ぷっと吹き出した。
わかってるってば。助けると
それにここは僕たちにとって
だから第一村人ならぬ現地人であるアランが親切なら、僕は付いて行っても安心だと考えたんだ。
そう思って僕がユウに向けて頬を
「そ、そうだな! 僕はそのつもりだったし、今ちょうどフロレッタ姫の生誕祭の準備をしていて
「もちろん……!」
僕はお兄さんが住む獣人族の村へ
村へ向かっている
と、そこまでは良かったのだけど……。
「ところで大輝は、ここまで何の用事で来たんだい?」
「へ? ええっと僕は」
『貢献ポイントを稼ぐために来た!』
「こう……じゃなくて人助けをしたくて来ました、本当に。そうだな……じ、実は僕の住む国では13歳になると、世のため人のために尽くすようにと旅へ出る決まりがあるんです」
ひぇぇ、嘘ついちゃった。それは僕が好きなアニメの設定だってば。
「そうか、すごいな。立派だと思うけど、国境をまたぐほどの距離を子どもだけでなんてなかなか考えさせられる。つまり、ここまでは一人で来たということだね? だが見たところ何も持ってきていないようだけど」
「え! あ、ああまぁ僕は一瞬でここまで来たり、家に帰ったり出来る魔法がありますので……」
「本当かい!? すごいなぁ」
わぁぁ本当のことだけど、僕が魔法使いかのように言ってしまったぁぁ! って、何ユウ笑っているの!
とはいえ異国の子どもの僕が一人でいるのは不可思議で、お兄さんの立場からしてみれば、この嘘が真実に思えたみたいだった。
胸が痛い。嘘なんてつくものじゃないな。
僕はその後、瞳を
「なるほど。いやぁ~僕の悪いところだ。万能薬を作ってもらいたいなんて思ってしまったよ」
「万能薬?」
ああと言って、お兄さんは肩から
鞄を開けると、スーッとするような
「これは薬草。僕は野良のみんなを、元の健康な体にさせたいと思っているんだ」
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