(ちょこっと短い話)高齢な勇者ああああの剣。えっち♥姫と、結婚できそうだぞ!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 姫と結婚できる、気持ちの良い未来はやってくるのか?勇者を名乗っても、新卒は、新卒。高齢者レベル。

 「じいさんの新卒勇者がいても、おかしくはない」

 とある新卒君が、とある異世界の、とある国の、とある家の、とあるベッドの上で、目覚めた。

 「おはよう。勇者ああああ。今日は、65歳の誕生日ですよう?」

 90歳を超える母親に、たたき起こされた。

 「今日は、城にいって、城の王様にあいさつをする日ですよう?」

 …はあ?

 意味、わからんぞ。

 ぶつくさと言って、立ち上がった、高齢な勇者。

 「まったく…。今どきの BBAは」

 仕方がなく、ぼっちで、城まで歩いていった。

 「高齢者いじめ、か?けしからんな」

 ふう。

 「何で、この俺を、城まで呼び出すんだ。王様って、何様だよ?つか、あいつ、俺より年下のクセに」

 高齢の新卒勇者は、グチが多い。

 城の入口には、あごから、ひげをたらりとたらした顔のじじいが立っていた。高齢者門番と、いうことか。

 そのとき、奇跡がおこる!

 じじいとじじいが見つめあった瞬間、両方とも、若返りはじめたのだ。

 「な、な…!」

 「ウオオ…!」

 これって、異世界の、新卒一括採用か?

 「わ、若返った!」

 「信じられん!」

  2人は、20歳ちょいの男子になっていた。

 新卒君の、爆誕だ!

 「高齢者の国」っていうのは、日本だけじゃない。異世界も、同じようなもの。

 けれど、リアル日本と異世界とでは、大きくちがう点があった。

 異世界では、高齢者同士が見つめあうと、魔法が発動。見つめあった者同士が、新卒レベルに若返ってしまう。

 そこが、ちがう点だった!

 面白いことに、その、門番の元じじいの横には、赤い色をした木が、ひょろっと立てられていた。

 そして、何と!

 その木の幹には、怪しいことの書かれた紙が、貼り付けられていた。

 「町の外れにある大岩に刺さった剣を、引き抜いて持って帰った者を、我が城の姫と結婚させる。城の財産も、分け与える」

 若返っていた勇者は、ドキドキしてきた。

 「城の姫と結婚する」

 それを聞いただけで、ドキドキ、エッチな気分になってしまう者もいるだろう。

 「もう、抜くしかない!」

 (これも、ある意味、エッチな言葉なんですがね) 

 勇者ああああは、力をふりしぼって、抜こうとした(いや…。だから、そういう意味ではないので)。

 が、どうしても、抜けなかった(そういう意味ではなく)。

 困った、勇者。

 どうしても、姫と結婚したかったのに!

 「どうしたら、姫と結婚できるんだ」

 勇者は、考えに、考えた。

 「もう、こうするしかない!」

 最終的に考えたことが、これだ。

 「剣の刺さった岩ごと、かついで、城まで持って帰ってしまえば良いんじゃね?」

 一体、どれほどの重さなのか?

 「俺には、巨人族の友だちは、いないしなあ…」

 早く、抜かなくてはならん(そういう意味じゃ、ないからね)!

 「いくぞ!」

 勇者は、大岩に、思いきりぶち当たっていった。

 「ぺち」

 岩に、激突。

 勇者ああああ、死亡。

 異世界は、厳しい。

 (リアル世界の日本は、もっともっと、厳しいが)

 残念でした。

 若返ろうと何だろうと、新卒の体力は、高齢者レベル。





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