第6話 最愛の遺書
マナカへ
結婚式に行くって約束したのに、行けなくてごめんね。行くって言ったんだけどさ、本当はマナカのウェディングドレス姿なんて見たくなかった。
男の人と幸せそうにバージンロードを歩く姿も。
沢山の人に囲まれて笑顔の花を咲かせる姿も。
我が
でも、ちゃんと理由があるの。
あのね、ずっと秘密にしてたんだけどね、私はマナカのことが好きだったの。
知らなかったでしょ。ビックリさせてごめんね。
いつからって言われると困るんだけど、気づいたら好きになってた。
片想い歴10年以上! 拗らせてるよね(笑)
誰よりも優しくて、嘘が上手くて、弱い私を支えてくれたマナカ。
そんな貴女の幸せを祝えなくて、私は空を飛ぶことにしました。
あーあ、マナカが他の人のものになっちゃうんだったら、
後悔先に立たず。昔の人は上手い言葉を考えたね。
書きたいこと、伝えたいことは沢山あるけれど、何枚書いても書きたりないと思うので、ここら辺で終わることにします。
兎に角、貴女の結婚前に、自分の弱さに耐えられずにあの世へ逝くことを選んだ私を許してください。
迷惑をかけてごめんね。
先に逝って、マナカが来るのを待ってるから。
私の分まで幸せになってね。
世界で一番愛してる。
ヒナ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます