第1話 真実ではない愛
「僕と付き合ってください」
彼とは大学からの友人で、私にとってはただの友人だった。
でも、彼はそうじゃなかった。
出会ったときから私に恋愛感情を抱いていたらしい。
男女の友情は成立するって思っていたのにな。
正直裏切られた気分だったけれど、私は彼の告白を受け入れてしまった。
普通の人生を歩みたくて。
もういい加減真っ当な人生を進みたかった。
異性と付き合って、結婚して、子どもを産む、普通の人生。
「こちらこそよろしくお願いします」
そう返事をしたときの彼の表情はとても嬉しそうで、胸が苦しくなった。
貴方のことは1mmも好きじゃない、なんて言えなかった。
彼からそっと視線を外して、カフェの窓から見える遠くの海を見ながら考えたのは、ずっとずっと大切で、想いを伝えないと決めた彼女の顔だった。
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