青い世界でまた再会

佐久間清美

プロローグ 大切な人

 明日、私は結婚する。


 世界で一番大切な人、ではなく、二番目に大切な人と。


 本当に心の底から愛したあの人は、もう手の届かないところへ逝ってしまった。


 家族も親戚もいない独りぼっちだった彼女。


 【私の分まで幸せになってね】


 初めて知る彼女の本心が書かれた遺書を残して。


 結婚の報告をした次の日に、いなくなってしまった。


 どうして、どうして、どうして。


 貴女の苦しみに気がつけなかったのだろう。

 貴女ではなく、彼を選んでしまったのだろう。


 こんなことなら自分の気持ちを偽らなければ良かった。

 貴女の愛情を素直に受け止めれば良かった。


 後悔してもしきれない。


 だから、決めた。私はもう道を誤らないと。

 自分の気持ちに素直になると。

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