第22話 ろくろ首
「いらっしゃいませ~」
「こんばんは」
普通の服を着た女の人が来店した。
女の人は首を伸ばして、高い位置にある本を見ている。文字通り、本当に首を伸ばしている。
「ろくろ首だね」
その妖怪なら俺も知っている。首が伸びる妖怪だ。
ろくろ首は蛇のように首を伸ばして、お目当ての本を探していた。
「何かお探しですか?」
「冬は首が寒くて寒くて敵わないので、自分用のマフラーを編もうとしていましたの」
「マフラーの編み方が載ってる本ですね。少々、お待ち下さい」
「私、編み物は初心者でして、それでも出来るような本が良いのですけれど」
「ああ、ありました! これとかどうですか?」
俺は「超初心者でも編める!棒針編みのマフラー・帽子・ミトン」という本を見つけた。
「ああ、ありがとうございます! 頑張って私専用の素敵なマフラーを編んでみせますわ」
「はい、頑張って下さいね」
もうすぐ冬がやって来る。
俺も冬支度を始めるとするか。
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