第20話 メドゥーサ

「いらっしゃいませ~」

「こんばんは」

 来店したお客様は頭に蛇が何体も渦巻いていて、サングラスをかけていた。

「メドゥーサだね。目を見た相手を石にしてしまうからサングラスをかけているよ」

 ちゃんと周りに配慮できる良い妖怪だ。

「何かお探しですか?」

「う~ん、宝石が出て来る物語が読みたいわ」

「でしたら、こちらはどうですか?」

 俺はライトノベルの棚にある「宝石商リチャード氏の謎鑑定」という本を差し出した。

「あら、イケメン」

 メドゥーサは表紙のリチャードを見て言った。

「宝石商のリチャードが相棒の正義と共に、宝石に関わる人の謎を解き明かしていくミステリー小説です」

「ミステリー小説なのね。私ミステリーは好きよ」

「それに二人のやりとりも絶妙で面白いんです。オススメですよ」

「分かったわ。リチャード氏を頂くわ」

「ありがとうございます」

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