「いらっしゃいませ～」

　豆腐を持った小さな男の子が来店してきた。

「豆腐小僧だね」

　綾さんが豆腐小僧を手招きする。

「良かったら、豆腐食べさせてもらいな」

「いいんですか？」

「はい」

　豆腐小僧は、何処からか醤油を取り出し「どうぞ」と皿を渡してくる。

「わっ、美味しい！」

「で、今日は、どんな本を探しに来たんだい？」

「僕、妖怪として怖くないじゃないですか。豆腐持ってるだけだし。それが理由で、他の妖怪仲間からいじめられるんです」

「ま、まあ確かに、そうですね」

「だから、心が強くなる本を探しているんです」

「ええっと、それでしたら、マインドフルネスの本はどうですか？」

「まいんどふるねす？」

「心を強くする瞑想法などを紹介する本です」

「瞑想ですか！　何か面白そう！　それにします！」

「はい、ありがとうございました」

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