第28話 最終章突入

 史帆は宇和島駅近くにあるカプセルホテルに泊まった。部屋に鍵がないから盗難の心配があったが、専用のロッカーにアタッシュケースを入れて、キッチリ鍵を掛けた。恐ろしい時代だから、鍵を盗まれないとも限らない。高級ホテルは身代金がなくなってしまうから泊まれない。

 ホテルはHPとMP両方を回復出来る。

『ビショップ』は星5つのホテルだ。

『ぬらりひょん』が全回復した。

 約三畳くらいの広さ。ベッドにはTVもあり、寝るだけならこと足りる。シングルサイズの布団だ。

 温泉は、熱湯&ぬるま湯が有り滑らかな泉質だし最高に気持ち良い。

 

『ビショップ』の中には居酒屋風食堂が入っている。朝は9時頃起きて、焼鮭定食を食べながら3章のボスについて調べた。

 桔梗ききょうの前は、平将門の愛妾とされる伝説上の女性。 桔梗姫ともいう。桔梗の前の伝承は将門の鉄身伝説や七人将門の伝説との関連が深く、伝承は多く関東から東北地方まで広く分布する。 伝承地により内容が異なるが、「将門の寵姫のなかでもとりわけ寵愛が深かったが、俵藤太秀郷に内通して将門の秘密を伝えた故に将門は討たれ、自身も悲劇的な最期を遂げる」というのが大筋である。


 桔梗の前は都の白拍子であったが上洛していた将門に見初められ、秀郷の謀で将門の妾となった。しかし将門の情にほだされ、秀郷に背いたため秀郷によって討たれた(茨城県取手市・竜禅寺伝)。


 将門の悲報に接した桔梗の前は朝日御殿の前にある沼に入水自殺をした。その後にその地は水田となるが祟りがある故に村で共同管理された(茨城県取手市)。


 桔梗の前の出生地とされ、将門死後に祟りを成したので鎮魂の為に胴体の宮を建立した(群馬県太田市只上町・只上神社伝)。


 将門が城峯山にこもり秀郷と戦ったとき、桔梗の前が敵に内通をしたので将門が怨み「桔梗絶えよ」と呪って死んだ(埼玉県秩父市城峯山)。


 乱を避けた桔梗の前が将門の敗死を知り自死した(千葉県市原市)。


 桔梗の前は秀郷の姉で弟の為に将門の下女となっていたが、将門滅亡の後にこの地に留まり、のちに入水自殺をし、その霊魂は鮫となって祟った。(千葉県船橋市)。

 

 桔梗の前の出自については、将門の娘(福島県伊達市桑折町)、秀郷の妹が間者になった(千葉県市川市)、将門の母(千葉県東金市)など異なる伝承も多く、また終焉についても、半田沼に身を投げて池の主の大蛇になった(福島県伊達郡桑折町)などがある。

 

 桔梗の前伝説の伝承地では咲かず桔梗の伝承をともなうものが多く、桔梗を植えない、あるいは桔梗の紋や文様を避ける風習を伝える地も多い。


 将門の寵姫悲話が桔梗と結びつく理由について、栃木県矢板市や静岡県の安部川付近では将門とかかわりのない桔梗伝説が伝わっている事から、古来より桔梗の花自体に何か悲劇を感じさせるものがあったためとする説がある。また『北相馬郡志』は茨城県取手市の伝承として桔梗が咲かないとあるのは、その地が薬用の桔梗の産地であったためとしている。

 

 ゲーム版では桔梗の前は藤原秀郷に内通しており、将門を沼に誘き寄せる。星1つの場合は魔法を使うことは出来ずに動きも遅いのでかなり弱い、星2つの場合は魔法は使えないが、動きが俊敏で攻撃力が高い、星3つになると魔法は使えるが、2回に1回は外れる。星4つは魔法能力がかなり高く、クリティカルヒットも出す。星5つは魔法能力は神級で、自らを蘇生出来る。

 

 ブラック企業を探し出して戦えば案外うまく行くかも知れない。

 Googleの検索欄に『宇和島 ブラック企業』と入力した。

屁原へばら建設』って会社はここから結構近い。星2つだ。

 ブラックな理由は車両系建設機械に接触するおそれのある箇所に、労働者を立ち入らせたもの。

 居ても立っても居られなくなり、ご飯を搔き込みチェックアウトした。

『ビショップ』を出ると目的地目指して全速力で駆けた。『屁原建設』にはクレーン車やコンクリートミキサー車が何台も置かれてあった。


 桔梗の前はどことなく深田恭子に似ていた。攻撃力はさほどでもないが、ぬらりひょんが攻撃を外すとクリティカルヒットを発動するという特殊能力を備えていた。

 今回も酔象と麒麟が素晴らしい活躍をしてくれ、ものの数分で桔梗の前を倒した。

『おのれ、将門ォッ! 地獄で待っておるぞ』

 呪いの言葉を言い残して桔梗の前は死んだ。

 史帆は最終章に突入した。

 

 9月22日

 和樹は朝早くダリア荘に連絡を摂ったが、不採用だった。担当者は『気を落とさずに頑張ってください』と言っていた。気を使ってくれたのだろうが、殺意が芽生えた。

 朝食のとき食堂に二階堂の姿がなかったので、和樹は彼の部屋に向かった。ドアは簡単に開いた。もぬけの空だった。

 林檎の部屋に行ったら彼女は朝ドラ『とと姉ちゃん』を見ていた。『とと姉ちゃん』は、2016年(平成28年)4月4日から10月1日に放送された2016年度上半期放送のNHK「連続テレビ小説」第94シリーズの作品。主演は高畑充希。

 静岡県・遠州に生まれ、亡き父に代わって母と妹たちを守る「とと(父親)」の役割を果たし「とと姉ちゃん」と呼ばれて育つ小橋常子こはしつねこをヒロインに、戦前・戦後の激動する昭和時代をたくましく生き抜いてゆく三姉妹の家族年代記と、彼女らが東京で女性のための雑誌を作る出版社を立ちあげ、「魂のパートナー」となる天才編集者・花山伊佐次はなやまいさじと出会い、雑誌『あなたの暮し』を刊行し一世を風靡する挑戦のストーリーを描く。静岡県のほか、上京後の東京・深川も舞台となる。

「二階堂さん、部屋にもいないみたいだ……」

 和樹はベットの上で見てる林檎の隣に座った。

「そうなんだ……」

 林檎の本職は刑事だ。ピエロたちのせいで仕事がなくなったらエラいことだ。

 部屋の電話がいきなり鳴り出したので、心臓が止まるかと思った。林檎が受話器を取った。

 和樹はニマル、史帆、二階堂の3人は結託して比企を殺したんじゃないかと考えた。ニマルが比企の口にガムテープを貼り、史帆が比企を羽交い締めにして、二階堂がボコボコに殴る。こうすりゃ、悲鳴を聞かれずに比企を抹殺出来る。

 受話器を置き、「フロントからだったけど、二階堂さんから電話が掛かってきたんだって。『ゲームは終わりだ残ってる人たちを解放してほしい」って」

 和樹は安堵の息を漏らした。

 林檎は不安だった。林檎は浦島警察署の刑事だ。職場に行ってもやることあるのか?

「ニマルさんや史帆さんはどうしたんだろうな?」

「2人とも逃げ出したんじゃないかな?」

「そうだったらいいな」

 林檎には手掛けてる事件があった。

 2016年1月13日午前5時52分ごろ、浦島市の西にある砂利運搬会社事務所内で、この会社に勤めている男性会社員、郡上髄元ぐじょうずいげん(当時56歳)が首を絞められて殺害されているのが発見された。


 事件が発覚する前の午前4時ごろ、事件現場となった事務所から離れた同じ浦島市内のスーパーのATMを襲う窃盗未遂事件が発生しており、この窃盗未遂事件では被害者が勤める会社から盗まれたショベルローダが使われていた。


 奥さんは『私には厳しいのに、孫が来るとオモチャを買い与えるんですよ』と遺影に向かって寂しそうにしていた。奥さんやお孫さんの為にも全力でやって来た。


 

 

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