第23話 サバイバル

 平良将の龍神射が源護に炸裂した。

 さらに、平良将は護の顔面に掌打を放ち、源護は良将を投げ飛ばす投げ技を繰り出した。和泉とフランケンシュタインは、互いに特殊な技を研究し、それを様々な戦況に合わせて使いこなしていった。


 しかし、試合を繰り返す中で、なかなか勝率が上がらないことに和泉は落ち込んでいた。が、和泉はフランケンシュタインに勝った。

「おめー何やってんだ!」  

 ドラキュラにフランケンシュタインは怒鳴られた。声の感じからドラキュラは男だと和泉は思った。

 控え室は食堂だ。フランケンシュタインは椅子に力なく座った。フランケンシュタインの本名は直江霧子なおえきりこだ。霧子はキャバ嬢だ。彼女は、お客様とのコミュニケーションを大切にし、心のこもったサービスを提供することで、彼らを満足させてきた。また、優れた接客スキルや人間性を持ち、お客様にとって快適な時間を過ごせるように努めてきた。ただし、キャバクラで働くことには、その業界特有の問題があった。キャバクラでは、ボーイやキャバ嬢のちょっとしたミスや対応がトラブル・クレームに繋がってしまうこともしばしばだ。

 特にキャバクラボーイは仕事の内容が幅広く、お客さんやキャストと接する機会も多めだ。

 それだけにトラブルやクレームに遭遇しやすい職種といえる。ドラキュラの正体は吉江恒彦よしえつねひこ、キャバクラボーイだ。

 キャバクラに来店するお客さんの多くは、お気に入りのキャバ嬢からの接客を受けるべくキャバ嬢の指名をする。

 しかしそのキャバ嬢が一度に複数のお客さんから指名をもらっていると、全員に対して長い時間接客することができなくなってしまう。

 この場合の対処法としては、指名されたキャバ嬢が現状をお客さんに説明して理解を得ることがベストだ。

 そのためにもボーイは、離席する際の不快にさせない言動をキャバ嬢に教育しないといけない。

 キャバクラのようなナイトワークで、バックレる人は少なくない。

 こうしたキャストの身勝手な行動は、お店や他のキャストにも大きな迷惑をかけてしまう。

 ボーイは、バックレを防ぐために常日頃からキャストのモチベーションを保てるようにサポートしてあげないといけない。

 また、バックレそうな気配のあるキャストに対しては、お店を辞める際のルールを事前に共有することが有効な予防策となる。

 霧子たちの勤務するキャバクラは三好組の傘下だ。三好勇はキャバクラの支配人である上杉國男うえすぎくにお(口裂け女)に500万集めるように命じた。

『おめぇ、近々子供が産まれんだろ? ガキの顔見る前に死にたくはねぇだろ?』  

 三好は松山市銀天街にあるクラブ『ヴェール』にやって来ると、ゴツゴツしたオートマチック拳銃、トカレフを上杉の口に突っ込みながら濁声で言った。

 上杉は小便がチビるかと思った。

 奇神館でのデスゲームの情報を持ってきたのは副支配人の新発田駿河しばたするがだ。ゲーム会社『トライアングル』が主催するゲームで、ハンターと獲物を決めるサバイバルゲームが6月26日開かれた。この日はタレントのJOYとモデルのわたなべ麻衣が結婚した。

 計8人は神津島こうづしまにやって来た。伊豆諸島の島の一つで、活火山の火山島。東京都神津島村に属する。キャラクターはかんむりんとかんむりーな。

 伊豆諸島の有人島としては最も西にある。本島と最も近い有人島は東北東へ10kmほどにある式根島。


 周辺の島も含め数十個の流紋岩質単成火山があり「神津島火山群」を成している。島の形はひょうたん型をしており天上山(標高572m)を中心とした北部と、秩父山のある南部とに大きく分けられる。


 本島のシンボル的存在である天上山は、9世紀の噴火で形成された溶岩ドームである。『続日本後紀』では、838年(承和5年)に大規模な噴火をしたことが記録されている。山頂部は比較的に平坦で、ここに「表砂漠」「裏砂漠」と呼ばれる砂地がある。また山頂部では本州では2000m級の高山に生育しているような高山植物も見られる。

 南部と北部の間の西側の前浜沿いに主な集落がある。島の他の地域には字滝川、字高処山のように字があるが、この地域には字も町名も指定されていない。


 御蔵島や青ヶ島など伊豆諸島には断崖絶壁に囲まれた島が多い中、神津島は比較的平坦で砂浜海岸が多い。また近海を黒潮が流れており、観光事業は発足していないが、マッコウクジラなどの鯨類もいる。


 ルールはエアガンで戦い、BB弾を互いのチームのボスに当てれば勝ちだ。武田チームのボスは武田、上杉チームのボスは上杉だ。

 馬場和泉ばばいずみ山県歌彦やまがたうたひこ飫富英二おぶえいじは武田の高校時代の同級生だ。

 山県は高校時代はサバイバルゲームに勤しんでいた。  

 

 1991年に東京マルイから発売された電動ガンは、内蔵するニッカドバッテリーを動力源とする電動エアコッキング式のため外部パワーソースが不要であり、1993年に威力を上げずに射程を延長できるホップアップ機構が開発されると、1990年代中頃には外部エアタンクやホースなどの煩わしい装備を必要とするBV式ガスガンは衰退し、電動ガンがサバイバルゲームの主力になった。さらにゲーム人口も増え、サバイバルゲーム専門のフィールドも各地に造られるようになった。


 また、この頃『1ジュール (J) ルール』と呼ばれるレギュレーションがアームズマガジンなどで提唱されたことにより、過度のパワーアップはサバイバルゲームの愛好家の間では下火となった。カスタムパーツメーカーも1 - 2 J程度のパワーアップパーツの製造は行っていたものの、全体的にドレスアップを中心としたものへ移行していった。

 2000年代に入り、過度に威力を高めた改造エアソフトガンを用いた事件が多発したことを受けて銃刀法が改正され、威力を規制する準空気銃規制が2006年8月に施行された。この頃、山県はサバゲーをはじめた。


 サバイバルゲームでのエアソフトガンの威力は規制値以下とするのが標準レギュレーションとなり、安全性が向上したといえる。フィールドでは、使用するエアソフトガンの威力が上限 (0.98 J) を超過しないようゲーム開始前にチェックされる。運動エネルギーを直接測定することは現実的ではないが、市販のBB弾は重さ別に商品化されているため、弾の速さを計ればおおよそのエネルギーは算出できる。これを利用し、エアソフトガンから発射されるBB弾の速さを弾速計で測ることで実質的な威力制限としている。


 当時、ボルトアクションライフル型のエアソフトガンは独自のレギュレーションによって威力の面で若干優遇されることが多く、これは連射の利かない狙撃銃スタイルのエアソフトガンの不利を射程の長さで補うことが目的であったが、銃刀法改正以後はそうした優遇措置を行うことができなくなった。結果、ハイサイ(ハイサイクル)と呼ばれる連射速度を向上させた電動ガンを生み出す要因となった。

 

 8人は正午にロッジに集まり、織田っていう『トライアングル』の担当者から説明を受け、ゴーグル、迷彩服上下、ブーツ、キャップ、ヘルメット、グローブ、ポーチ、エアソフトガン、BB弾が支給された。

 織田の話ではBB弾を撃ち尽くした場合は、島内を散策して見つけないといけないらしい。  

 被弾(跳弾や味方による誤射等も含む)によって失格になることは死亡とも呼ばれる。失格となったプレイヤーはフィールドから速やかに退場し、セーフティエリアへ移動しなくてはならない。失格状態のプレイヤーはフィールド内では死亡扱いとなるため、移動する際に味方に情報(敵の潜伏場所など)を伝えたり、装備や余った弾などを譲ることはできない。

 

 

 

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