第22話 探索

 午前11時……和樹、林檎、蜜柑、岐南の4人は食堂に集まった。

「館内を散策しようと思うんだけど皆はどう思う?」

 岐南が口火を切った。

「何が起きるか分からない、私は反対です」と、林檎。

「二階堂さんの部屋のドア、ノックしてみたけど全然返事がない」

 蜜柑はクシャミを必死で堪えてる。

「死んでるんじゃないだろうな?」と、和樹。

「ひえっ、怖いなぁ〜」

 林檎が素っ頓狂な声を出した。

「犯人を探すよりも、行動範囲を制限し、安全な場所を見つけて隠れることが重要だと思います」

 蜜柑の発言に全員が真剣な眼差しになる。

「でも、どこが安全な場所かわからないよ」

 そう言って岐南が大きなあくびをした。

「寝てないんですか?」と、林檎。

「頭が冴えちゃってね〜」

「自分たちで身を守るための武器を作ることも必要かもしれませんね?」

「蜜柑君って子供なのに頭が冴えてるね?」と、和樹。

「武器を作るの?でも、私、そんなのできないし」

「お姉さんって後ろ向きな考えなんですね? 僕も不器用だけど、これが生き残るための唯一の方法なら、頑張らなくちゃ」

 林檎は一瞬、ムッという顔になった。

 和樹は部屋に銃と防弾チョッキを取りに戻り、岐南は厨房に行き中華包丁や殺虫剤を調達し、蜜柑は部屋に戻りノートパソコンで武器の作り方を調べた。

 💻

 ◎アトラトル


 アトラトルは先端に槍を引っ掛けるカギが付いている棒で、この棒を使って槍を投げることで手で投げるよりも遠くまで槍を飛ばすことができます。


 テコの原理が使われていて、少ない力で遠くまで飛ばすことができます。人類が以前借りに使われていた道具で、この道具を使って大きな動物を狩猟していました。


 現代でも競技としてアトラトルが行われています。簡単に作ることができる武器で、サバイバル中に狩をするならアトラトルを作ってみるのがいいと思います。

 

 ◎弓矢

 弓矢も昔から狩や戦争で使われていた武器です。

 弓矢は無人島の中にあるものだけで作ることができるので、無人島でのサバイバル時にも作ることができます。

 アトラトルよりも狙いやすので、狩猟もしやすくなります。手頃の木を石器などを使って削ることで弓を作ることができ、使うロープも木の繊維などで撚り糸を作って使うことができます。

 矢の先も石器を使って作ることができます。ゾンビが発生した世界の場合はホームセンターなどで塩ビ管を購入して作るのがいいと思います。

 塩ビ管は熱することで柔らかくなって簡単に加工することができるので、弓矢も作りやすいです。


 この情報の出処は『Copyright © 2023 サバイバル考察ブログ All Rights Reserved』だ。蜜柑のノーパソは未来の情報を知ることも出来る。

 

 林檎は食堂に残って真犯人が誰なのかを考えた。

 比企はかなりの大柄だ。ニマルや史帆に殺すのは不可能ではないのか?まだ、子供の蜜柑も戦闘能力はあまりないはずだ。二階堂、岐南、そして和樹の3人なら出来ないことはないだろう。

 昼食を終え、男性3人は探索を開始した。メニューはラーメンと餃子だった。

 食堂を出てしばらく歩くと、和と洋が絶妙に調和した空間が広がる左手には、2羽の孔雀と薔薇の花が描かれたステンドグラス。天井にはキューピッドの彫刻が施されている。

 岐南は中華包丁、蜜柑が殺虫剤、和樹はジュニア・コルトをそれぞれ武装している。

 3人は周りを注意深く見渡しながら、館内を探索し始めた。最初は物音もなく、空気も静かだったが、数分後、誰かの足音が聞こえ始めた。

 蜜柑が小声で「誰か歩いている音がする」と言った。

 和樹が小声で「俺も聞こえる。誰かいるんじゃないか?」と眉を顰めた。

 岐南が「冷静になって、周りを見てみよう」と言った。

 3人は静かに歩みを進めながら、周りを注意深く見ていった。すると、壁に付着している誰かの影を発見しました。

 蜜柑が「あそこに誰かいる、影がある」と上の方を指差した。

「階段の上に誰かいる」と、和樹。

 3人は、壁沿いに進んで、階段の上に向かいました。そこで彼らは、壁際に立つ人影を見つけた。

「二階堂さんじゃないですか……」

 蜜柑が言った。

「それで俺をどうしようって言うんだ?」

 二階堂はオロオロしている。

「これには深い理由が……」

 岐南が事情を説明した。

「そんな、比企さんが……」

「二階堂さんまで殺されたんじゃないかと心配してたんです」

「蜜柑君ありがとうな」

「けど、犯人も随分手緩いよな? この手の事件の犯人は電話線を切断するもんだけど」

 和樹は鷹山トシキの『N街ハザード』って推理小説を思い出していた。

 ある日、北関東にある小さな田舎町『N』で、ある家庭の電話線が切断されたことが発覚した。しかも、線が切れたのは昨晩中で、その時、家には誰もいなかったとされている。


 この騒動を耳にした町内の住人たちは、さまざまな憶測を口にした。一部の人々は、盗賊や泥棒の仕業ではないかと疑っていた。また、切断された線からの引き出しがあったことから、タクシーによる犯行とも考えられた。


 N警察署には、多くの通報が入り、警察官たちも調査に乗り出した。しかし、何が原因で電話線が切断されたのか、その原因は今だにわからず、謎として残っている。


 ある日、この事件の真相が明らかになるまで、町内の人々は、不安と緊張の中で暮らし続けることになった。それから数年後、ある夜、噂によれば、電話線を切断した人物が町に現れたとの報告があった。しかし、この事件の真相はいまだ解明されていないため、真実は一生に渡り謎のままで終わってしまったのだ。

 

 部屋でじっとしてるのも馬鹿らしいので、和樹は館から出て、宇和島を探索することにした。林檎からはあぶないから止めた方がいいと忠告されたが、こうしてる間にもライバルたちはゴールに近づいてるかも知れないのだ。

 スマホの充電を完了し、館の外に出た。防弾チョッキもしっかり着用したし、銃もホルスターにセットしてある。G-SHOCKを見た。『14:52』

 バスに乗って1時間半くらいで、遊子水荷浦ゆすみずがうら段畑だんばたにやって来た。急斜面に石垣を積み上げ作られた階段状の畑地である。水平線に太陽が沈みつつある。

 2004年(平成16年)の文化財保護法改正により創設された重要文化的景観選定制度により、四国地方で初めて2007年(平成19年)7月26日に重要文化的景観選定基準の「水田・畑地などの農耕に関する景観地」として、遊子水荷浦の段畑の名称で選定を受けた。かつて合計30ヘクタール程度あった段畑は高度経済成長期以降の耕作放棄により約2ヘクタールへ激減していたが、選定を機に「段畑を守ろう会」が結成されるなど保存運動が興り、6ヘクタールに増えた。


 古代遺跡のような景観から「宇和海のピラミッド」とも言われ、四国八十八景に45番で入っている。

 👹残り34匹

 濡女子ぬれおなごが出没した。四国や九州に伝わる妖怪。

 忽那諸島の怒和島や二神島では、海から現れ、名前の通り髪が濡れているという。愛媛県宇和地方では海から現れるとはいわれていないが、髪が洗いざらしで濡れているという。同じく愛媛の大洲市菅田町では、びしょ濡れの全身に木の葉を纏っていたという。長崎県の壱岐島では海や沼から全身ずぶ濡れの姿で現れ、対馬南部では雨の降る夜に濡れた姿で現れるという。


 人を見ると笑いかけてきて、人が笑い返すと一生付きまとう。愛媛の鬼北町や三間町(現・宇和島市)では、「やかましい」と言うと消えてしまうともいう。

 将門は『猛虎』を召喚した。『猛虎』は濡女子に襲いかかった。次の瞬間、将門のHPが0になった。 

 

 


 

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