第16話 誘惑

 怪し気な男の正体は岐南丈次ぎなんじょうじ、東京にあるD病院で勤務していた元医者だ。彼はカリスマドクターと呼ばれ、メディアを賑わせていた。

 丈次はある日、急性虫垂炎の手術の失敗による医療事故を起こしてしまった。事故によって患者は亡くなり、家族や周りの人々から非難を浴びることになった。

 丈次は、医師としてのプライドを守るため、言い逃れや嘘をついてしまい、ますます事態が悪化していく。しかし、彼が犯した過ちが明るみに出ると、彼は医師免許を失い、多くの人々から信頼されなくなった。彼は遺族への支払いなどで資金が底をつき、ネット喫茶で暮らすようになった。バイトや就職活動する傍ら、『将門伝サドンデス』に勤しんでいた。

 愛する妻は精神的なショックから流産して、母子ともに天国に旅立ってしまった。将門に『優馬ゆうま』と名づけていた。もし、生まれた子供が男の子だったらそう名づけようと妻と話し合っていた。

 第1章のボス、平良正はD病院に出現した。評価は3.7だ。最初の頃は5.0だったが、丈次がしでかしたことにより評判は激減だ。

   

 ルソン

 精査、治療のため紹介されました。

 悪い病気だったら…どんな先生だろう…と大きな不安と共に重い足取りで受診しましたが、主治医の先生は物腰が柔らかく穏やかで話しやすい、とても優しい良い先生です。基礎疾患を考慮しながら、慎重に検査や治療を進めてくださり、とても信頼を覚えます。


 浦賀

 電話対応も受付対応もがさつです。

 お待ちくださいと言われて座ってたのですが、なんでこんなこと聞いてくるん?分かんねーよってブツブツ行っている職員がいました。

 ここの医療事務の人は良い人はすぐ辞めて悪い人しか残っているイメージです。


 グリーン

 受付開始から整理券とって1時間放置され、苦情を入れても呼ばれず、その後大した問診もせずレントゲンとって会計するだけで4時間かかった。医師は優秀なのかもしれないが、二度と行かない。


 頭師文太

 医師の態度が悪く、偉そう。

 手術して顔をテープでガーゼを貼ると何がおかしかったのか看護婦に笑われた。

 失礼極まりない。


 星3つなので、平良正は槍を武装していた。

 

 病院から自転車で10分のところにある図書館は星4つだった。

 全体的に古くトイレや駐輪場、周辺の雰囲気は哀愁が漂う図書館で、蔵書数や広さも特段特徴はなくごく普通の古い図書館だ。

 星4つなので優馬は弓矢を手に入れた。友達は随分苦戦していたが、丈次は5分以内で良正を仕留めた。


 第2章のボス、源扶みなもとたすくは面接を受けた港区にある広告業『RYDEEN《ライディーン》』に出現した。8月だったのだが、夏になると現れる『涼処すずみどころ』はエアコンが付いてる訳じゃなく2台のサーキュレーターでかき回してるだけなのにかなり涼しかった。この会社はかつて、自殺者が出てる。『RYDEEN』に入社して2年目の男性社員(当時24歳)が、自宅で自殺した。男性社員の1か月あたりの残業時間は147時間にも及んだとされる。遺族は、会社に強いられた長時間労働によりうつ病を発生したことが原因であるとして、会社に損害賠償請求を起こした。これは、過労に対する安全配慮義務を求めた最初の事例とされ、この訴訟をきっかけとして過労死を理由にした企業への損害賠償請求が繰り返されるようになったといわれる。

 なので、レベルが低いと踏んだのだ。評価は3.4。

 優馬は鉄砲を手に入れていたので、扶は秒殺だった。

 日本に『銃』としての鉄砲が伝来する以前、元寇時に『てつはう』と言う火薬を使った音のする武器が知られていたことから、銃が伝来してのち、これに『鉄砲』の字を当てたとも云う。通説では、『銃』に相当する鉄砲は天文12年(1543年)に、ポルトガル人をのせた中国の船舶が種子島に到着したことをもって伝来の最初とする。ただし、近年宇田川武久が日本の火縄銃と西欧の銃の構造の違いなどから、それ以前から東南アジアで改良された銃が日本に伝来していた可能性を指摘して以後、それ以前に日本に銃が存在していたのかどうかについての議論が活発に行われている(鉄砲伝来)。


 鉄砲は和泉国堺や紀伊国根来・近江国国友など各地で生産され、島津氏や三好氏、足利将軍家など九州・近畿の大名は早くからその充実に力を注いだ。東国では甲斐武田氏が天文24年(1555年)の第二次川中島の戦いにおいて鉄砲300挺を携行し、組織的に利用している(『勝山記』)。


 だが、その大量整備で知られたのは織田信長であった。長篠の戦いにおける織田氏の鉄砲隊の活躍については過大評価されてきた部分はあったものの、鉄砲の普及に大きな影響を与えた。また、鉄砲の生産・所持のためには多額の費用がかかることから蔵入地の増大などの戦国大名の統治構造にも影響を与えた。また、当初は海外で採掘されたものの輸入に依存していた硝石も、戦国時代末期にはわずかながら国内で生産されるようになった。


 元和偃武後、江戸幕府は鉄砲を規制する方針を採った。ただし、その本格化は貞享4年(1687年)以後の徳川綱吉による鉄炮改強化以後のこととなる。それ以前は藩によっては農兵制を採用したりする藩(山鹿素行などの軍学者の中にもこれを支持する意見があった)もあり、統一した方針が確立されていたわけではなかった。江戸幕府においては新居関所における入鉄炮の規制や明暦3年(1657年)の関東盗賊取締令における鉄砲統制などがあったが、綱吉の政策以後在村の鉄砲の没収などの措置が採られ、生類憐れみの令による鳥獣の観点から規制は強化される方向にあった。もっとも、農村部においては領主が管理する鉄砲を特別な租税(鉄炮運上)と引換に一時的に借り出すという名目での預鉄炮(拝領鉄炮)は容認した。これは鳥獣による農作物への被害による年貢等の減少を避けるためであった。


 江戸時代の200年以上にわたって日本の鉄砲は火縄銃の水準に留まった。これは鎖国や幕藩体制による鉄炮鍛冶の保護と統制による影響と言われているが、西洋の集団で弾幕射撃を行う用法とは異なり、狙撃型の用法が主で命中率を重視した日本においては、引き金を引いてから弾が発射されるまでにタイムラグのある燧石式銃は好まれなかったとする説、また、燧石式銃に必要な良質の火打ち石が国内で採れなかったことによるという説もある。だが、19世紀以後のヨーロッパにおける雷管や施条式銃などの開発が、こうした弱点を徐々に解決しつつあり、幕末の開国以後には急速に西洋式の銃に取って代わられた。明治維新以後は火縄銃は完全に使われなくなり、長年の保護と職人としての意識に支えられた鉄炮鍛冶の多くは新式銃への転換を拒み廃業して帰農していった。

 ゲームの方は勝ったが、面接はダメだった。


 吉良史帆はミステリー作家だ。彼女の好きなミステリー作家は横溝正史よこみぞせいしだ。

 彼女は幻想将門伝サークルの主催者だ。

 史帆がミステリー作家を目指したのは中学生のときプレイしたスーパーファミコン『かまいたちの夜』がきっかけだ。

 1994年11月25日にスーパーファミコン用ゲームソフトとして発売され、その後数多くの機種に移植された。背景の上に文章が表示され、時折現れる選択肢を選んでいくことで様々な物語が展開するサウンドノベル作品。真冬の雪山のペンションを舞台に、そこで起こる不可思議な殺人事件の謎を解くことが目的だが、多数あるエンディングの関係から、目的とずれた結末を迎えることがあるのも特徴の一つである。

 高校卒業後、故郷の山梨の喫茶店でバイトをしながら執筆活動に勤しんだ。27歳のときに書いた『解体新書殺人事件』でデビューした。

 主人公は、名探偵の秋山優香あきやまゆか。彼女は、ある日、東京新聞社から『解体新書殺人事件』という未解決事件の取材依頼を受ける。


 事件は、100年以上前に起きた日本史上最悪の連続殺人事件で、連続した五人の女性が解体された遺体となって発見されたというものだ。事件は、屋敷の中に設けられた密室で数日間にわたって行われ、殺害者はいまだに見つかっていない。


 秋山は、事件の現場である屋敷に向かい、調査を始める。屋敷は、場所が難アクセスであるため、犯人は車を使用したと推測される。また、事件当時は戦争中であったため、事件の捜査は犯人による隠蔽策により困難を極めたとされる。


 秋山は、古文書や屋敷の間取りなどを駆使し、真相に迫っていく。彼女は、事件の謎に迫る中で、犯人との近い距離に接近していくが、それは彼女自身の危険な状況にも繋がっていく。


 秋山が犯人の正体に迫る中、真実が次々と明かされ、事件は意外な展開を見せる。そして、解体された女性たちの意外な絆と秘密が明らかにされる中、事件はいくつかの謎を残しつつ、結末を迎える。

 

 新人賞では100万を手にし、取材も受けた。印税も入り生活も随分楽になり、奇神館に移り住んだ。

 

 部屋で宇和島城を眺めているとアイデアが思いついた。

 もし奇神館という館で殺人事件が起きた場合、当然ながら警察はすぐに動くことになる。しかし、奇神館は一般的な施設とは異なり、その歴史や伝説、その建物自体にも謎が多く、捜査が困難な場所となる。


 このような事件に対応するためには、警察だけではなく超常現象に詳しい調査団体や霊能力者など、異なる分野の専門家が協力して捜査が進められることが望ましい。


 また、奇神館自体が独自のルールや秩序を持っており、管理人や住人たちがそれを守るという伝統があるため、誰かが内偵することは困難かもしれない。しかし、事件が発生してしまった場合には、警察による徹底的な調査が必要となる。


 最終的には、事件の詳細が明らかになり、犯人が特定された場合には、法的な手続きが取られることになる。ただし、奇神館が抱える謎や超常現象については、捜査が進んでも解明されない場合もあるかもしれない。

 

 史帆はテーブルの上のAndroidを手に取った。

『幻想将門伝』のアプリを起動させた。

 レベルは和樹と同じ3だ。

 残り20匹倒すと中ボスと戦える。

 デジタルな宇和島の街が画面上に現れた。

 ドロン!煙とともに妖怪が姿を現した。

 赤坊主あかぼうずだ。新潟県、京都府、愛媛県に伝わる妖怪。それぞれ伝承が異なる。

 

 新潟県の赤坊主

 林泉寺の釣鐘を奪い、数々の悪行を行っていた妖怪。幼少時に林泉寺を出家した上杉謙信は、自軍でも最も勇猛な児島弥太郎、通称・鬼児島に退治を命じた。弥太郎は単身で林泉寺へ向かうと、死闘の末に赤坊主を倒し、鐘を奪い返したという。


 京都府の赤坊主

 柳原紀光の随筆『閑窓自語』に記述がある。日野一位資枝卿という人物が若い頃、仲間たちと共に夜更けまで酒を飲みつつ世間話を楽しんでいたところ、屏風の後ろが急に明るくなり、人の気配がした。屏風の裏を覗くと、燃え上がる炎の中に真っ赤な法師が立っており、周囲が怪しむ中で姿を消してしまった。正体は不明だが、家に吉事が起きることの前兆だという。


 愛媛県の赤坊主

 南宇和郡城辺町の海で、ある老人が漁を終えて帰ろうとしたところ、海岸に灯りが見えた。老人が灯りへ近づくと、そこには赤坊主が灯りを照らしていた。老人は慌てて逃げ出したが、赤坊主は特に危害を加えることもなく、沖へ歩き去っていったという。   


 史帆は将門に『ぬらりひょん』と名づけていた。

 ぬらりひょんは妖怪の総大将だ。ぬらりひょんは

七星剣しちせいけんで赤坊主を難なく倒した。七星剣は中国の道教思想に基づき北斗七星が意匠された刀剣の呼称。破邪や鎮護の力が宿るとされ、儀式などに用いられた。七星刀、七星宝刀とも。


 チェックインを済ませて、和樹と林檎は館を散策した。

 1階内部は廊下の途中にイオニア式円柱とアーチを組み合わせたセルリアーナがある。

 和樹が『201』、林檎が『202』だった。

 部屋に入り、和樹はソファに座りスマホで『失言レストラン』について調べたら、『失恋レストラン』と出た。

 ドアをノックする音がしたので開けたら、林檎が立っていた。

 頬を赤らめながら「ねぇ、しよ?」と恥ずかしそうに言った。


 始めてのセックスは和樹が一人暮らしをしている部屋でだった。

 和樹は、大きな身体の自分が林檎を傷つけてしまわないように、割れ物を扱うようにそっと林檎に触れた。

 その優しさに、林檎はますます和樹を好きになったのだ。

 優しくてスローペースなセックスは、経験の少ない林檎にとってとても幸福感を得られる気持ちいいセックスだったし、プレイ自体に不満を感じることはない。

 ただ、毎回必ず和樹が1度だけの射精で終わることに疑問や不安、物足りなさを感じてしまうのだった。

 射精後はしばらくいちゃいちゃして、肌を合わせて眠るのだが、その後2回戦へいくということはない。 

 

 林檎はフェラチオで和樹のモノを優しく愛撫した。

「おちんちん、おっきくなってる…」

 林檎が小さな声で言うと、すぐに和樹が林檎の中に挿ってきた。

「あんっ、いい……和樹のおちんちん、大好き」

「林檎、変態だな…」

「そうだよ」

 和毅は返事の代わりに強く突いてきた。林檎は和樹と汗だくでセックスしてた…。

 和樹は、また強く突いてきた。林檎は思わず声を出した。

「あああっ……あああああっ〜!!」

 林檎が叫ぶ。

「あぅっー……ううぅっー…!!」

 林檎は声を絞り出した。

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