第12話 怪しい店

 17日 - 『週刊少年ジャンプ』42号にて秋本治の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が連載終了。1976年9月21日発売の週刊少年ジャンプ42号からの連載40年に幕を閉じた。


 宇和島への旅行はもうじきだ。妖怪の残り数は60匹。朝食を終えて、8時にマウンテンバイクの調子が悪いので自宅近くの自転車屋さんで修理してもらった。

 30分ほどで終わり、再出発。

 逆井城さかいじょうに9時頃に到着した。下総国猿島郡(現・茨城県坂東市逆井)にあった戦国時代の日本の城(平城)。落城後、後北条氏によって大規模に築城しなおされたため、それ以前の遺構と後北条氏時代の遺構が重なっている。はじめの逆井氏の城を逆井古城、後北条時代の城を飯沼城ともいう。

 北側に西仁連川用水を臨み、西に入江だった蓮沼が存在する台地の先端上に位置している。西仁連川は江戸時代の干拓の際に沼の西側外周部が掘削されたもので、干拓前は飯沼という南北30kmに広がる沼が城の北方に存在していた。この南北に細長い飯沼は逆井城の北で東西に蛇行しており、城はこの沼の歪曲部に位置し沼に囲まれた「後堅固の城」でもあった。


 北崖を飯沼が洗い堅固なため、本丸が最北端に位置している。南側に曲輪が連なり、大軍も収容できるように大規模な構造となっている。


 築城は享徳年間ごろといわれる。小山義政の五男・常宗がこの地を領して逆井氏を名乗り、この城を居城にしたという。しかし常宗の孫・常繁のときの天文5年(1536年)、古河公方方であった逆井氏は後北条氏と対立した。そのため後北条方の大道寺盛昌の攻撃を受け逆井古城は落城、逆井氏は滅亡したと伝わる。ただし落城年がこの地域への後北条氏の進出時期に合わないため落城時期には異論もある。


 後北条氏の勢力下に入った逆井城は、天正5年(1577年)、玉縄城主北条氏繁によって藤沢から技術者が呼ばれ、新たに築城されることとなった。逆井の地は北条氏にとって下野・常陸方面への侵攻の最前線であったためである。後北条氏の最新の技術が投入された飯沼城には氏繁が入り、佐竹氏・多賀谷氏などと対峙した。天正6年(1578年)、氏繁は逆井城で没し、その後を子の氏舜・氏勝兄弟が継いだ。風魔小太郎の子・風魔孫右衛門など忍者集団300人が拠っていたともいう(『関八州古戦録』)。


 天正18年(1590年)、豊臣秀吉の小田原征伐による後北条氏没落に伴い、廃城となった。


 水乞幽霊みずごいゆうれいが現れた!江戸時代の奇談集『絵本百物語』にある日本の幽霊。

『絵本百物語』の本文には、死に際して遺言を残すことの出来ずに執念が残ってしまった者や、仏法の教えにほとんど従わなかった者・飢えや渇きに苦しんで亡くなった者が迷ってこの世に残りとどまっている幽霊であるとされる。水乞幽霊が水を得て渇きを少しでも癒すことのできる機会は、仏法の教えにのっとった甘露の雨が降るときなど供養が通じた時だけである。


 水木しげるは著書で「遺言幽霊」として『絵本百物語』の「遺言幽霊 水乞幽霊」を紹介をしており、この世に思いを残したまま亡くなった者の霊で、夜ごとに現われては水を欲しがって泣き叫ぶと解説している。

 イルカのMPは150になっていた。『雷撃』だけでなく『津波』を操れた。水乞幽霊の封印の呪文によって『津波』が使えなくなってしまった。

 将門の天之麻迦古弓あめのまかこゆみに水乞幽霊は倒された。 

 和樹は歌手のイルカを思い出した。『なごり雪』は名曲だ。早く雪系魔法を覚えないだろうか?火系モンスターは『吹雪』や『雪崩』が有効らしい。

 あまり充電が減ると『ダリア荘』からの電話が受けられなくなる。雲行きが怪しくなってきた。残りの電池は60%

 面接の日に寄ったコンビニからはかなり距離がある。傘を手にしていないから、あまり長距離の移動はしない方がいい。

 ポツポツとアスファルトに染みが出来る。遠くでゴロゴロと雷鳴が聞こえた。

 和樹はマウンテンバイクに跨り、雨を凌げる場所を探した。

『とらじろう』って食堂にやって来た。

 定食を頼んだ。メニューはすき焼き、カブのサラダ、ガーリックポテト、ごはん、味噌汁。

 評判は4.4だ。味も量も申し分ない。

 雨の音が強くなる。

 店内には誰もいなかった。静かでいい。 

 坂口憲二さかぐちけんじに似た店員さんが外に出て何やらやってる。看板を『OPEN』から『CLOSE』に変えた。

 和樹は『池袋ウエストゲートパーク』のドーベルマン山井を思い出した。とんでもない悪い奴だった。

 飯食いながらゲームをやった。

 家鳴やなりが現れた。外見は青色の子鬼だ。日本各地の伝承にある怪異の一つで、家や家具が理由もなく揺れ出す現象。

 鳥山石燕の『画図百鬼夜行』では、小さな鬼のような妖怪がいたずらをして家を揺すって家鳴を起こしている絵が描かれているが、現代では西洋でいうところのポルターガイスト現象と同一のものと解釈されている。


 なお、現代でも温度や湿度等の変動が原因で、家の構造材が軋むような音を発する事を「家鳴り」と呼ぶ。特に建材が馴染んでいない新築の家で起こることが多く、ひどい場合は欠陥住宅として建築会社と家主がトラブルになることもある。


 江戸時代、但馬国(現在の兵庫県北部)でのこと。ある浪人たちが度胸試しのため、化け物屋敷として知られた家に泊り込んだ。

 夜更けに突然、家全体が激しく揺れ始めた。浪人たちは地震かと思って外へ出たが、揺れているのは家だけだった。この怪異は翌日も起きたため、浪人たちは智仙という僧に相談し、一緒に家に泊まってもらうことになった。

 智仙が浪人たちと共に泊まった夜、家が揺れ始めた。智仙は畳を見つめ、最も激しく揺れる箇所に小刀を突き立てた。すると揺れはそれきり、ピタリと止まった。

 翌朝になって家を調べると、床下に『刃熊青眼霊位』と記した墓標があり、小刀の突き刺さった『眼』の部分から血が出ていた。近所で人に話を聞いたところ、かつて近隣を荒らし回っていた熊を、その家に住んでいた男が殺し、祟りを鎮めるためにその墓標を建てたものの、熊の霊に憑かれて死んでしまい、その後も霊が家の中をさまよって数々の怪異を起こしていたということである。

 

 家鳴は地面を揺らして将門をビビらせた。魔法がかかった将門は動けなくなってしまった。イルカとセブンが家鳴と戦うが、イルカも将門同様動けなくなり、セブンは家鳴の『内応』に応じて寝返ってしまった。

 セブンの『毒霧』により将門のHPが80にまで下がる。イルカはまだ動けない。

 ズズン!窓の外で雷鳴が聞こえた。どこかに落ちだ。

 将門が動けるようになった!

『猛虎』を召喚させた。が、しばらく放置されていたからか『猛虎』は機嫌が悪いらしく帰ってしまった。家鳴はスタミナを貯めている。

 セブンの『毒霧』がイルカにかかる。イルカの顔の横に🍄マークがついた。

「お兄さんは何の仕事をしてるんだい?」

 店員さんが尋ねてきたので戦闘を中断した。

「つい最近まで浦島市ってところの食品工場で働いていました」

「そうか。何で辞めたんだ?」

「ヒドいパワハラに遭って。精神を患って辞めました。あの野郎、殺したい」

「銃買わないかい?」

 和樹は耳を疑った。

「拳銃? いや、それって違法でしょ?」

「安定剤とかに頼ってたら最悪、死ぬぞ?あれって結構強い薬だからな?」

「病んだことあるんですか?」

「いろいろあってな……」

 悪魔が和樹に囁いた。

『宇和島にはゲームのライバルがたくさん来る。そいつらを殺せば、おまえに運が巡ってくるかも知れないよ』

 ズズン!⚡

「いくらですか?」

「おっ、買う気になったか?」

「値段は?」

「いくらなら出せる?」

「1万」

「ふざけんな!」ってぶん殴られるかと思ったが、「いいよ」と笑顔で答えた。

「今日は持ち合わせていません」

「いつなら来れる」

「明日なら。20日からは忙しくなります」

「19時でどうだ?」

「いいですよ」

「悪かったな飯の途中で」

 

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