第4話 それぞれの戦い

 8日(月)

 15時00分(日本時間)、明仁天皇が象徴としての天皇の務めなどについて、自らの心情を表明した『お気持ち』と題するビデオメッセージを放送。


 防衛省、北朝鮮のミサイル発射に対する自衛隊の迎撃を可能とするべく、稲田朋美防衛大臣による破壊措置命令を発令。北朝鮮が2016年に入ってから発射の兆候を掴みづらい移動式発射台からのミサイル発射を繰り返していることを踏まえ、具体的な発射兆候がなくとも自衛隊によるミサイル迎撃を可能とするためで、発令期間については当面3ヶ月とし、常時発令状態を維持することを目的に、3ヶ月毎に命令を更新する形を取る。


 和樹は『浦島食品』の前でモンスターと戦うことにした。評価は☆☆☆☆。柿沼みたいなモンスター上司がいるのにこんなに高いなんておかしい。

 筑波山の山中で源扶みなもとのたすくは、卑劣な敵の手により重傷を負い崖から川の激流に落ちた。源 扶は、平安時代中期の武士。『将門記』に前常陸大掾・源護の長男として登場する。

『将門記』によれば、承平5年(935年)の2月のある日、扶は弟の隆・繁と共に、野本で平将門を待ち伏せた。退くに退けず進むに進めなくなってしまった将門は、それでも憤然とし刃を交えての合戦におよんだ。そして幸いにも順風の利を得た将門勢の射る矢はさながら流れるように飛び思うがままに命中し、扶等兄弟は奮戦したが討ち死したとされ、承平天慶の乱の発端となったとされている。


 1091年後の2026年、観光客によって洞窟内で発見された扶の氷漬けの遺体はつくばの実験施設に送られ、蘇生実験によって蘇る。サイボーグ化され、銃弾すら効かない体になった。うつろ船というUFOみたいなのが現れ、扶は乗り込み元の時代に戻ってきた。


 将門は『猛虎』を召喚した。扶は弓矢で攻撃してきて、秒殺されてしまった。

 工場から帰ってきた和樹は、自室で小林多喜二の『蟹工船』を読んだ。

 蟹工船とは、戦前にオホーツク海のカムチャツカ半島沖海域で行われた北洋漁業で使用される、漁獲物の加工設備を備えた大型船である。搭載した小型船でたらば蟹を漁獲し、ただちに母船で蟹を缶詰に加工する。その母船の一隻である「博光丸」が本作の舞台である。


 蟹工船は「工船」であって「航船」ではない。だから航海法は適用されず、危険な老朽船を改造して投入された。また工場でもないので、労働法規も適用されなかった。


 そのため蟹工船は法規の空白域であり、海上の閉鎖空間である船内では、東北一円の貧困層から募集した出稼ぎ労働者に対する資本側の非人道的酷使がまかり通っていた。また北洋漁業振興の国策から、政府も資本側と結託して事態を黙認する姿勢であった。


 情け知らずの監督である浅川は労働者たちを人間扱いせず、彼らは劣悪で過酷な労働環境の中、暴力・虐待・過労や病気で次々と倒れてゆく。ある時転覆した蟹工船をロシア人が救出したことがきっかけで、労働者達は異国の人も同じ人間と感じるようになり、中国人の通訳も通じ、「プロレタリアートこそ最も尊い存在」と知らされるが、船長がそれを「赤化」とみなす。学生の一人は現場の環境に比べれば、ドストエフスキーの「死の家の記録」の流刑場はましなほうという。当初は無自覚だった労働者たちはやがて権利意識に覚醒し、指導者のもとストライキ闘争に踏み切る。会社側は海軍に無線で鎮圧を要請し、接舷してきた駆逐艦から乗り込んできた水兵にスト指導者たちは逮捕され、最初のストライキは失敗に終わった。労働者たちは作戦を練り直し、再度のストライキに踏み切る。


 11日 (木) 国民の祝日に関する法律の改正により、同年から同日が新たな祝日『山の日』とされる。


 有田蜜柑ありたみかんも『将門伝サドンデス』に参加していた。千葉県市川市の貧しい家で暮らす少年、蜜柑は妹、檸檬れもんのカバンを修理してもらった帰りにそのカバンを失くしてしまう。新たにカバンを買う金もなく親に知られるのを恐れた彼は、市川小の6年3組の友達、石川葡萄いしかわぶどうの家に逃げ込んだ。『将門伝サドンデス』の存在を知らされる。葡萄は天体マニアで、土星について教えてくれた。

「太陽から6番目の、太陽系の中では木星に次いで2番目に大きな惑星なんだ。 巨大ガス惑星に属する土星の平均半径は地球の約9倍に当たるんだ。 平均密度は地球の1/8に過ぎないため、巨大な体積のわりに質量は地球の95倍程度なんだ」

 市川市も将門ゆかりの地だ。


 鈴花は、白血病に罹患したことが判明した後、治療のために入院生活を送ることとなった。

 最初は、彼女は悲しみと焦燥感に襲われていたが、治療を進めることで、少しずつ前向きな気持ちを取り戻していった。彼女は病院内での生活に少しずつ慣れ、家族や友人たちとの訪問や、遊びなども楽しんで過ごしていた。


 しかし、治療中には様々な困難に直面した。化学療法や放射線療法などの治療によって、彼女は髪を失い、体力も落ち、吐き気や脱水症状などの様々な副作用に苦しめられていた。一時は治療に対する不安や苦痛から、彼女は落ち込んでいたが、家族や友人たちの支えと看護師や医師たちの助言によって、彼女は治療に立ち向かう力を取り戻した。


 その後、鈴花は長期入院生活のうちに、同じ病気で闘っている子供たちや、医療スタッフたちとも深いつながりを築いた。特に、彼女は自分と同じ悩みを抱える子供たちのために、自分自身を支えることができるようになった。


 

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