第459話 15階のレアモン


最近のマイブームは溜めひっかくなのである。溜めひっかくとは、グッとタメを作ってからひっかくするやつだ。


そうすると、ひっかくが飛ぶのだ。しかもズバァッとモンスターが切れるのだ。何故か飛ぶのは4本だけなんだが、これは熟練度の問題だろうか?


あれ?俺って爪5本あるよな?って自分の前足をまじまじと確認しちゃったぞ。


因みに、溜めひっかくでなくてもトレントは真っ二つにできる。ただ、ひっかくでトレントを攻撃しようと思うと……なんだか爪を磨ぎたくなるのだ。


良い感じの木だからひっかくで切り倒すのではなく、バリバリ幹を削りたくなる。本能だから仕方ない。


栗トレントのドロップは栗、あと木材がたまに出る。普通の探索者がトレントを避ける理由が木材といっても過言ではない。


「結構な量を手に入れたし帰らないか?」


ちょっとソワソワしてるグレイは、帰ってスイーツ作りたいのだろう。人間味が出てきて結構なことだ。


「うにゃ」


だが断る。


俺は登山中の探索者の会話が耳に入っちゃったのだ。


15階にドングリを餌にしている紅葉ピッグというレアモンスターが居るという情報を聞いちゃったのだ!


因みにドングリの木エリアに居るくせに毛が黄色と赤色の斑でとても目立つが、逃げ足が速く傾斜もキツイから追い掛けられず、目撃情報しかないらしい。


「にゃにゃっ」


15階に行って豚を狩るのだ。


「豚?そんなの居るのか?」


「キュー」


そーいえばそんなの聞こえてたね。


『レアモンスターとか言ってたのよー』


納得したところでマリモちゃんタクシーでGO!


15階にやって来ました!


フッフッフッ俺達はハンター必ず豚をゲットする。素早い?こちとら猫ぞ。ついでにドラゴンも居るぞ?


因みにグレイは俺達が追い込みしたあと真正面からぶつかる役目がある。盾で殴って倒すのだ。


というわけで捜索開始!まずはドングリエリアを探すのだ!

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