第456話 真実エンドクリア
『失敗作にしては使えたな、ご苦労B』
『……まさか、お前、エデンブラッドに適合しているのかっ!成功個体が居たとは!なんてことだ!お前は……Rだな!後でデータを確認して同じ配合で新しく作ってみなければ!あぁ、それまでは殺せないなぁ仕方がない、許してやるから部屋に戻れR』
Bが死んだことを気にもせず、興奮する所長を冷ややかな目で見るR。
『下等種ごときが私に命令するな』
Rの発言と同時に目が赤くなり、所長は金縛りにあったように動かず、ピクピク痙攣する。
『なっ!何故…』
『お前の言うエデンブラッドは、元は私の肉体から採取された細胞を使ったものだろう?おかしな細工をされたが故に適合したこの肉体がこの研究所の外で生きられるかわからなかったのでね?おとなしくしていたんだが……』
クスクスと、所長を嗤うRの言葉を聞いて、どんどん顔色が悪くなっていく所長。
『嘘だ…使ったのはほんの少しの肉片を焼いた灰から抽出した成分だぞ!?復活なんてできるわけが無いだろう!』
『人類が滅びに向かったことで伝承も消えたらしい……ヴァンパイアは灰になっても復活できるのだ。ただ、私が復活したのはお前のお陰ではあるぞ?なんせ私に肉体を与えてくれたのはお前だからな?』
「Rが既にRじゃなかっただと!?というかヴァンパイア!?なんで!?」
「うにゃ」
ダンジョンに居るだろ。
「普通にダンジョンある設定の世界なのかここ!?」
そりゃ、研究者の屋敷ダンジョンをモデルにしたんだし、あるだろ。因みにインタビューでは裏設定として、世界中のダンジョンからモンスターが溢れだして外でも活動できるようになった世界設定だと言っていた。
つまり人類滅亡の危機はモンスターによるものだ。
『最古のダンジョンより生まれでた最初のヴァンパイア、勇者により滅ぼされたヴァンパイアの王が私である!喜べ下等種!私を世界に再誕させた功績により、お前を殺さないでやろう!』
『なん…てこと…をっ…』
Rの体は一気に成人くらいまでに成長し、顔も髪もまったく別なものに変化した。それを見て人類滅亡のカウントダウンスイッチを押してしまったことに気がつき、絶望に落とされた所長。
「……えげつなっ」
「うにゃ」
なんでRが主人公なのかって疑問が解けるシーン。
エデンブラッドの元になったつよつよヴァンパイアが擬態した人間だったから。
Rは宣言通り、所長は殺さず窓側の壁を破壊して飛んで出ていってしまった。そして暗転後、破壊された街とRの高笑いでエンドロールである。
「真実エンドクリア……ってエンディングまだ3個あるのか!?」
はい、逃亡失敗エンドと真実エンドをクリアしてるけどあと3個残ってるんだ。
「うにゃぁ」
鬱ゲーの後は考えなくて良いやつが良いぞ。
「いや、他のエンディングみようとしてるわけじゃねぇから」
「うにゃ」
まぁそろそろご主人帰ってくるからな。
結構集中してやってたからな。まぁ正確なプレイングができるグレイだからこんな早くクリアできるのであって、他の人なら何日かに分けてやるようなゲームなのだ。
それにグレイは眼精疲労とか無いからな。長時間ゲームで集中力が切れることもないし。
「ただいまー」
「にゃぁん」
お帰りご主人。
勿論玄関にお出迎えのためダッシュした。グレイ?知らんなぁ?
「にゃにゃ」
ちょうどグレイがゲームクリアしたとこだった。
「へぇ、どんなやつ?」
「うにゃ」
エデンブラッドってやつ。
「………それって鬱ゲーとかいうやつ?なんか野田君が僕におすすめしてくれたんだけど、三井君が初心者に鬱ゲーおすすめすんな!って却下してた」
「おい?初心者におすすめするなとか言われたゲームを俺にやらせたのか?」
「うにゃ」
グレイはゲームが目的じゃなくて感情を知識に合致させるのが目的だから問題ない。
「……それを言われたら、そうだな」
「そういうゲームでまともな感情学べるのかな?」
「にゃぁ」
複雑な気持ちを覚えてたぞ。
俺の発言に、ご主人が複雑そうな顔をしてた。
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