にゃぉん
第451話 グレイは照れ隠しを覚えた!
ご主人が居ない午前中にゾンビゲームをグレイにやらせた。ただ、グレイは恐がらない。驚かせようとする演出も、大きな音がしたのでちょっと目を見開いただけだった。
「にゃぁ」
人間はここで恐がったり驚いたりするんだぞ。
「いや、大きな音や突然出てくるゾンビに恐がってたら探索者なんて出来ないだろ」
それはそうなんだけど、それを恐がらせる演出というか効果音やBGMがあるんだぞ?
まぁそういうわけで、ストーリーをしっかり読むことには成功している。
午後は乙女ゲームをやらせたんだが、流石に恋愛がテーマなだけあってグレイの困惑が酷かった。
いや、内容もだけどゲームシステムのほうでも困惑してたな。
因みに、グレイのキャラ名は神木レイである。
「は?『デートが大成功すると夢の中で彼とイチャイチャ出来ます、頭、目、口、体、腕等をタッチして彼とイチャイチャしましょう!』……イチャイチャしましょう!?」
「うにゃぁー」
ゲームのシステム的にそうなってるんだ、イチャイチャすると彼氏のドキドキ度が上がる。
グレイにはちゃんと友情を育むゲームじゃなくて恋人になるゲームなので1人にしぼれと言っといた。1人にはしぼったんだが、それはそれでデートを複数回してたらそれはもう恋人なのでは?と悩んでた。
「ゲームがやれといってるからやるが、先ずは無難に腕か?」
『手、繋ぎたいの?……あんたの手、小さくて可愛い』
「手が小さくて可愛い……とは?おい画像出せ、どの程度の比率の小ささだ?まさか1cm小さいだけで可愛いのか?」
「キュフッ」
笑いを堪えて見ていたヤクシがとうとう我慢出来なくなったようだ。
「うにゃぁ」
後で男性と女性の手の大きさググって比べろ。
「なるほど、そうだな画像がないならここは平均で考えるべきか。では次は違う場所が良いのか?まさか腹を触ったら腹パン認定されないだろうな?」
「キュフーッ!?」
乙女ゲームをなんだと思ってるのーっ!?と、とうとうツッコミまで入った。
ヤクシのツッコミをスルーしたグレイは、腹部分をタッチ。すると、相手が着ていたワイシャツのボタンが外れて前が開いた。
「まさかっ、今、俺がボタンを外して半裸にしたことになってるのか!?待てレイ!『腹筋凄い!』じゃないだろ!男のほうも止めろ!」
「うにゃ」
夢の中設定だからな。
『何?俺の体……気になる?』
「……そうだな、鍛え方が足りない」
「うにゃ」
ゲームにマジレスすんな。
しかもお前が基準にしてるの探索者だよな?コイツは普通の高校生設定なんだ、腹筋割れてるだけで凄いじゃないか。
「これまだ触らせる気か?」
「うにゃ」
ちゃんと3回だって書いてあったぞ。
「くっ、いや、だがこれはもう一度腹を触るとどうなるか気になるから腹だな!」
グレイが腹を再度タッチすると、相手の頬が赤く変化する。
『っ、あんた……結構大胆なんだな。いいよ、もっと触れば?』
「俺が触りたいみたいに言うな」
「うにゃ」
自分で触ったじゃん。
「ゲームが触れっていったんだ!」
……と、このように俺達は面白いんだけどグレイの勉強というよりツッコミ訓練みたいになってる。
でもたぶん人間的な普通の反応ではあるから上手くはいってる。
こう、ゲームのイケメンに甘いセリフを言われて、なんだかとっても恥ずかしいというか照れるというか、そんな感じにはなってるので大成功だ。
ただし、最低でも1人はクリアさせるので先は長いぞ!
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