第448話 話の結果三井君達と悩んだ


学校に行ったら先生がニコニコ嬉しそうだったので、無事に高村さんに話が出来たんだろう。


「……だからね、今たぶんゾンビゲームしてるんだよ」


昼休み、僕がキャラ弁でも作ってあるなら持っていくよって言ったから持たせてくれたお弁当。ご飯が猫でひげを海苔でつけてある。おかずは普通の唐揚げや卵焼きだ。


初期作成のキャラ弁らしくて少しだけキャラにしてみたやつらしい。


ただ、それを見て三井君たちが疑問に思ったらしく、僕は昨日の出来事を話したんだけど……


「ま、まぁ納得いかねぇが理解はしよう!グレイの訓練のために乙女ゲームとゾンビゲームしてるんだな!?」


「そのゲームの内容を説明してると言うことは、つまり、ミロクもやったのか?肉球でコントローラー動かせるのか?」


「拙者、ミロク動画を視聴しているでござるが、ゲームしてるのはなかった気がするでござる」


野田君、気づいちゃった?僕も見守るつもりで昼間のミロク動画を見てるんだけど、ゲームやって無いんだよね。


「ゲーム実況動画とか見たのかな?って思ってるよ」


初期のペットカメラじゃパソコンの画面まで綺麗に見れなくて何を見てるかわからない時があったから。


猫動画は解りやすかったんだけど、ゲーム実況とかだとゲーム画面が縮小されて映るからごちゃごちゃしそうでしょ?フル画面で見てたら解ったんだろうけどね。


「なるほどでござる」


「だよな、さすがのミロクでもあの手でゲームは出来ないよな」


「因みにミロクは念動が使えるからゲームできるよ」


「「あー……」」


安田君と野田君は納得したらしい。因みに三井君はミロクなら何でもアリだと思ってるみたいだから最初からゲームが出来る出来ないを問題視してない。


「てか何で乙女ゲームとゾンビゲームなんだ?普通に推理物とかあるだろ?」


「さぁ?ミロクの考えはわからないけど、たぶん操作の少ないゲームを選んだんだと思うよ?ほら、ゲームを操作することに集中しちゃうのは本末転倒でしょ?」


ゾンビゲームもストーリー重視って言ってたし。


「あと、推理物はまだグレイには難しいんじゃないかな?証拠品と動機と犯人が結び付かないだろうから」


「え?そんなにヤバい?グレイって話しててもそこまでおかしい感じしないけど?」


「ダンジョンさんの一般常識知識が仕事してくれてるだけで、グレイ自体が感情を覚え始めた今だからこそおかしくなってるらしいよ?」


まだまだ統計で感情を語るにはサンプルの数が少ないとかなんとか。まぁ言ってしまえば知識だけで、お話出来るAI状態に感情サンプルを増やしましょうってことだよ。


「グレイ氏は1歳になるかならないかの子供に知識だけ入れたようなものと考えるでござる」


「子供は周りを観察して自動的に感情による反応の統計を取りながら成長するからな」


「あぁ、周りの環境で人格形成されるとかのやつ!」


……そう考えると乙女ゲームとゾンビゲームで形成されるグレイの人格ってヤバくない?


いや、グレイには自我がちゃんとあって、それを軸に肉付けする形で学習中だから大丈夫…………大丈夫だよね?

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