第447話 教材は色々あるようだ


「うにゃん」


キリが良いのでそこでセーブしろ。とグレイにゲームをやめさせたミロク。そういえば夕飯どうなってんだろ?


「僕お風呂行ってくる」


未だに素っ気なくデート後に送ったりしないイケメンを見てる場合じゃなかった。


出会うイケメン全員を満遍なく好感度上げてデートに誘うのは、グレイがゲームの趣旨をわかっていないのか、それとも感情のサンプルは多いほうがいいという判断なのか、気になってる場合ではない。


風呂も夕飯も済んでないのに7時になろうとしている!


いや、見てて面白かったから時間忘れてたよ………なんか私服選ぶときデート前の服装選択画面思い出しそう。



そんなこと考えながら風呂に入って出てみたら、何故かサフランライスがクマさんの形になってて、その周りは多分バターチキンカレーだ。


何でいきなり?


「うにゃ」


グレイがキャラ弁という概念を知ってハマってしまった名残り。とミロクが説明してくれたけど、まさかミロクのストレージにキャラ弁とかカワイイご飯が保存されてる?


「キャラ弁とか、細かい作業とか無心になれるというか、たぶん好きだ」


そう言ったグレイは、何故か遠くを見ていた。なんかお猫様に振り回されてるね、頑張れ!それを微笑ましくおもいだしたら君も立派な猫飼いさんだよ!


「大丈夫だよグレイ、ミロクは多分余所のお家の猫より賢いから、僕らはまだまだ楽をしてるほうなんだよ」


「何が大丈夫なんだ!?」


なんかクマさん崩すの勿体無いなぁと思いつつ食べ、グレイには猫飼いの先輩として慰めの言葉を伝えたよ。


「にゃにゃにゃー」


壁やソファーで爪研ぎしないし、やっちゃダメなこともしないし、トイレなんてやったら教えるんだぞ、そんな猫居ないぞ。


うんうん、ミロクは賢いよねぇ。でも賢いからこそグレイをドール扱いしてるんだろうねぇ。


他の人には無茶振りしないけど、グレイにだけバシバシいくのは自分が作ったドールって認識が強いからだろう。それをミロクが解ってるかは不明だけど。


たぶんRPGのキャラを育てる感覚に近いのかな?効率を求めちゃうとこが出てる。


まぁミロクなら何やっても可愛いから大丈夫!


「うにゃー」


グレイ、夕飯後はストーリー重視のゾンビパニックゲーな。


「やめてくださいお願いします」


ゾンビはアンデッド系ダンジョンで見飽きました!2度と入らんと誓ったのにゲームでゾンビはやめようか!


「……にゃー」


僕を見たミロクは仕方ないなぁってやめてくれた。やるならせめて僕が学校に行ってる時間にやってほしい。


「じゃあタンクの達人動画見ていいか?角度や速度にタイミングを記録しておきたい」


というわけで、マッチョ老人があらゆるモンスター相手に盾1つで無双する動画を見ることになった。


……変人スタイルで無双してる人、叔父さんや高村さん以外にも居たんだなぁ。

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