うーん?

第444話 友人の不幸はクッキーの味


木々が色づき、毛が生え変わる季節になりました。


研究者の屋敷ダンジョンで精神的な疲労を感じたミロクたちは、季節ダンジョンに行ってキノコ狩りを楽しんでるみたい。


やっぱり季節ごとにモンスターも変わるらしくて歩いたり駆け足したり爆走してるキノコモンスターが多いらしいよ。


だからここ最近のご飯がキノコ尽くしだ。



因みに、夏祭りはセーフティハウスに避難してテレビで楽しんだ。僕は三井君たちに誘われはしたんだけど、人混みとか無理なので(精神的に)お断りしてミロクと一緒に引きこもったね。



秋になったからというわけじゃないけど、世の高校生たちは体育祭やら文化祭やらで忙しいんだろう。だが僕たちは違う!だって専門の高校だから。


協調性とか小学校とか中学校で学んだのだから、探索者になるために知識を詰め込みレベルを上げることだけやれば良いのだ。というスタンスなんだよね。


小さい時のことはよく覚えて無いんだけど、僕は特別措置が取られてたらしい。家で家庭教師付けられたような、護衛を連れて授業受けたような?本当に覚えて無いんだよね。


たぶん途中から防御系のドロップアイテム着けて学校行って影から護衛とかだったと思う。行事系は全部無しだったけど。


そのドロップアイテムより叔父さんの防御付与のお守りのほうが強かったから一人暮らしとか出来てるんだし……いや?あの人たちのことだから僕のこと忘れてるかもしれないなぁ?


まぁそこら辺を手配するのは国の人だから親に愛情が有るかとか関係無いもんね。


話が脱線したんだけど、何が言いたいかって僕の通う学校に行事系は存在しないってこと。


「嫌でござる」


「無理だが?」


「先生達だって嫌だ!この学校の管轄はダンジョン庁なんだぞ!?でも学校だから文科省から要請来たらやらないわけにはいかないかもって校長が…」


「それでも俺等に任すのはちょっとちがく無いっすか?」


困った様子の先生と、拒否の姿勢な三井君たちが職員室で他の先生達に見守られながらお話し合いしてるんだ。


事の始まりは、とある傍迷惑なお偉いさんの思い付きだったらしい。なんか小学生の孫が探索者に興味あるとかで、強い探索者になる!と微笑ましい夢を掲げたらしい。


そこで孫可愛さに、強い探索者になるための専門学校で今一番強い学生探索者が居る学校に小学生の見学会を開催しろみたいな話をしてきたらしい。


もちろん、この一回が成功すれば全国の専門学校で小学生の見学会を開催するそうで、名目として専門学校のことを知ってもらい全国に専業探索者やギルド職員の数を増やす……なんて言ったもんだからダンジョン庁としても反対しにくかったみたい。



で、先生たちはその見学会で生徒代表としてダンジョン庁希望の安田君、ギルド職員希望の野田君、専業探索者希望の三井君に手伝って欲しいって言ってるんだねぇ。


何故かって?僕達はほぼほぼ合格圏内で、もう遠征に行く必要なくて遠征期間は学校で自習ってなってるから余裕があるだろ?って理由らしい。


因みに僕はそういうの向いてないって先生もわかってるから、僕は言われてない。言われてないけどパーティーメンバーとして一応連れてこられた。


ミロクなら解せぬって言ってると思うけど、僕は他の先生にクッキーとお茶貰ってのんびりしながら話し合いを見てるだけだし、むしろ得したかもしれない。

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