第440話 13階から14階へ


結果、ギミックアイテムはなかったので、ただの高級家具プレゼント部屋だったことがわかった。


「うにゃ!」


良いもん貰ったな!


「プレゼントのために置いていた訳じゃないと思うが?」


「キュー」


ダンジョン内で拾ったものは拾った人のものなんだよ。とグレイに無知だなぁみたいに言ってるけど、グレイが言いたいのはそういうことじゃないぞ?言わんけど。


グレイは相手がドラゴンズ先輩だと基本的に逆らわないのでヤクシの言葉はスルーしてる。逆らうのとスルーは別なのだ。


部屋を出て、罠を漢解除したり避けたりしながらモンスターを倒していく。


金属ドールやら獣型金属ドールの他に、フェアリーとコボルトの合成モンスターが追加された。


「にゃにゃぁ」


飛行スピードタイプ、攻撃は魔法と噛みつき主体、防御力ゴミ。


全長15cmのコボルトに蝶の羽を着けたモンスターなのだが、何故フェアリーに寄せたのか?せめてコボルトサイズだったら噛みつきでダメージになっただろうに。


そういうことをウニャウニャと愚痴ったら、マリモちゃんに慰められた。


『マスターだからー見つけられるのであってー普通ならドールに隠れてー魔法で不意打ち出来たのではー?』


「うにゃ」


なるほど納得。


やっぱり気配察知だな!あとなんかヒラヒラしてんのが目に入ったので目の良さが大事!


因みにフェアリーコボルトはヤクシの尻尾アタックで倒せた。ドロップ品はフェアリー系あるある、フェアリーの羽。


「にゃにゃぁ」


階段見つけた。


ようやく13階終わりであるが……時間的にもう1階層くらいやれそう。


「にゃぁ?」


14階行っとく?


皆は何日もこのダンジョンに来たくないということで、続行決定。


14階では出てくるドールが殆ど金属コーティングのドールになるのだが、1体だけノーマルな研究者ドールが何処かに隠れているらしい。


場所はランダムで、しかも逃げるのだそうだ。


「うにゃぁん!」


これより、研究者ドールと俺達によるかくれんぼを開始する!


気持ち的に、グレイには黒いスーツとサングラスを着けさせたいが、ダンジョン内でやることじゃないから諦める。


罠や金属ドールを処理しながら研究者ドールを探すため、俺達はバラバラに走り出した。今回は効率を優先する!


「うにゃ!」


無駄に扉が多い!


「キュー!」


グレイ確認した部屋の扉は閉めないで!


「いや、勝手に閉まるんだここのドア」


『ドアはー破壊できまーす』


「にゃぁ!」


皆ダイナミックお邪魔しますだ!



俺達はちょっとよくわからないテンションの上がりかたをしていたらしく、スライドドアを押戸にして部屋を確認していた。


今まで見たことなかった通気孔を発見して、中に研究者ドールのを確認した瞬間に火球を撃ち込み、15階への階段が現れたのを確認して正気に戻った。


見渡せば、ひしゃげたドアが転がり、モンスタードロップが散乱し、罠の槍や矢が折れ曲がって転がっている。


「にゃぁ」


なんか競争っぽくなって闘争心爆発しちゃった。


「暴れすぎでは?俺は見ててドン引きしたぞ」


「キュー」


つられちゃった。


『なんかー見つからねーからーみたいな感じでー馬鹿にされた気がしたのよー』


どうやらグレイは巻き込まれ無いように、ドロップ品回収をしたり撃ち漏らしを処理したりしてたらしい。


まぁテンション上がっちゃったんだから仕方ないよな!

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