第437話 研究者の屋敷 12階


翌日、やって来ました12階!11階は駆け抜けましたよ勿論!モンスター以外はスルーでオッケー!


「うにゃ」


金属ドール、硬いだけ。


12階に時々居る金属ドールはやっぱり普通の金属コーティングされたドールだった。銅やら鉄やらと金属の違いはあるが、11階のレア金属ドールのような特殊金属のドールは居なかった。


ただ、警備員ドールの武器がスタン警棒になった。静電気の強化版みたいな音がしてるので直ぐにわかったんだが、そもそもダンジョンモンスターなのに警棒で戦ってる意味がわからない。


ここのダンジョン、モンスターの殺意が控えめである。


たぶん殺意は罠の方が高い。真っ平らな廊下の床から突然剣山の如く針が飛び出してくる。因みに研究者ドールが罠床の境い目で渡れなくて困ってる風な演技をしてるので引っ掛かりはしない。


なんか、殺意高めの罠があって、わかりにくくなっていたりするとモンスターがネタバレしてくるのなんなの?


「あ、空中通れば罠発動しないみたいだな」


「キュー!」


罠を教えてくれたドールを投げて渡らせるなんて親切だね!とヤクシは言ってるが、下手すれば串刺しだったのに親切?


グレイはたぶん罠確認のために研究者ドールを投げてる。


まぁその研究者ドールは床に倒れたあと、よろよろしながら立ち上がり、地団駄を踏んだあと火魔法を撃ってきたのでヤクシが水魔法連打で相殺と撃破を同時にやってたけどな。


「うにゃ」


ぴょーん。


1mくらいの幅だったので普通に跳んで罠を避け、先に進むんだが……部屋が見当たらないんだが?


そのかわり罠が大量に設置されてるんだが?


「うにゃ!」


魔力で発動する罠だ!


「魔法撃って発動させとく」


罠察知が反応した壁にグレイが水球を放つと、壁から槍が飛び出して反対側の壁に突き刺さった。うむ、グレイの腹くらいの位置だな。


発動した罠は一定時間で元に戻るので、それまでに通りすぎる。


「にゃー?」


12階って階段付近に部屋が1つだけなんだよな?


「だな、その部屋はモンスターハウスになってるようだ」


部屋なのに何故かハウスな不思議は置いといて、ここでも入る必要の無い部屋である。



ちゃっちゃか進んで部屋の前、モンスターハウスに挑むか放置するかで話し合いである。


まぁ結果、マリモちゃんのみが放置希望だったので多数決に従い挑むことになった。


ただし、マリモちゃんの意見も取り入れて部屋の扉を開けた瞬間、魔法攻撃により一掃する事になった。


今日は行けて13階まで、帰りは逆走するしかないので時間を考えたら討伐に時間をかけたくないとか真面目に理由を言ってたが、本音は面倒だったからだろうな。


というわけで、オープン!そしてサンダーボルト!サヨナラ!


ヤクシもグレイもマリモちゃんもランス系魔法をバンバン撃って、気配察知に反応が無くなったのを確認して攻撃をやめた。


顔も見ずにサヨナラしたモンスターたち、後で魔石を鑑定してちゃんと何のモンスターだったのか確認するからな!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る