第436話 帰宅後ギルドへ


グレイがハンマーでゴンゴンやってる間に鑑定しまくった結果、研究やってます感を出すために融かして混ぜたり電気流したり溶液で溶かしたりした鉱石たちだった。


「にゃー」


名前が全部『○○と△△と□□が1:2:3で合成されてる金属』って書いてある。


金属と比率はそれぞれ違うけど、正式名の無い謎合金である。


因みに、それぞれ水の中に入れてないと溶けるとか、電気を流してないと膨張を始めるとか書いてある。あと、硬いとか魔力を吸収するとか色々だ。


「キュー」


何もないよりマシ。とヤクシは空振りになら無くて安心した様子。


『これーどうするのー?』


「うにゃ」


ギルドに売る。


だって金属使わないもの、しかもこんな使いにくそうな金属要らぬ。


「っしゃぁ!終わった!」


えーと、ドロップは金属ドールの素体で、魔石には魔力吸収スキルが付いてる。


「うにゃぁ」


魔力吸収は魔力操作頑張ったら生えたぞ。


魔力譲渡をゲットしたのも切っ掛けになったらしくて、いつの間にかスキルに追加されてた。


『魔力吸収はードレイン系だからーゴースト系に多いよねー』


「キュー?」


コーティング金属の特性なのに魔石に付いたの?とヤクシは不思議そうだが、それを俺等に聞かれてもわからんなぁ?


「ところで、俺が戦ってる間に部屋の物の回収出来たのか?」


「にゃー」


出来たよ。


「なら帰ろう」


というわけで、10階の転移陣で外に出て、セカンドドアから家に帰った。


その後、休憩してからギルドに行った。戦利品を売らねばならない!


「……これ、鉱石研究室の情報についての情報料です。受け取りのサインお願いします」


例のごとく見ていたらしい高村は、先回りして必要な書類を作成していたらしい。


サインはちゃんと俺が書くぞ!肉球ハンコも押すのだ!


持ってきた品々の鑑定は終わってるし、鑑定書も作ってるから魔石以外のアイテムを売る。


「詳細な鑑定結果がありますから、あとは使い道を見つけるために研究施設に投げときますね」


高村の言う研究施設は特区じゃないところだ。特区があるうちは高村……いや、ギルド管理の研究施設から大々的な成果発表はしないようにしてるらしい。


「にゃー」


「善きに計らえだそうだ」


あと頑張れ高村の意味を込めて、机に跳びのって手にスリスリしてやった。撫でても良いんだぞ?


「クッ、推しから突然のデレ供給!ストレスが溶けて無くなっていく!」


高まるテンションとは反対で優しくツボをおさえて撫でてくる。


ふん、ご主人には及ばないものの、やるな高村!


だがここで終わりだ。ミロクサービスは終了しました。


「あぁ……」


すいっと離れると残念そうな声を出されたが、仕事の効率上昇のためのサービスなので働け。


「ふぅ、では買い取りについては後日一覧と金額をメールにて送信しますので」


「うにゃ」


「わかった、またなーだそうだ。これで失礼する」


俺の場合新発見とかが多いので、お金とかは後でになるから時間が掛かるのは仕方ないのだ。


ただ、高村には覚悟してもらわないといけない。


だって俺達、研究者の屋敷ダンジョンの15階までは攻略するつもりなのだ。他の探索者が断念したギミックとかクリアしちゃうだろうから、追加で色々増えちゃうと思う。


「うにゃぁん!」


ギルド職員が倒れるくらい頑張るからぐっすり眠って待ってろよ!




「……絶対明日には忘れてるだろ」



え?グレイなんか言った?

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