第433話 研究者の屋敷11階 面倒
暫く廊下が続き、部屋も無さそうなので罠に気を付けながら歩いてたんだが……
「にゃ」
そこの壁に何かある。
無機質なコンクリート壁(白塗り)なんだけど、うっすら箱型に穴が隠されてるのを発見してしまった。本当にこのダンジョンってユニークスキルをいつもよりうっすら強めてないと見落としが酷いよな。
罠っぽい感じはしないので、蓋になってる壁部分に猫パンチをするとズボッと前足が貫通した。
これ、魔力板に乗ってて良かった!ジャンプして猫パンチしてたら壁にぷらんとぶら下がる猫になっちゃうところだった。
「ナァ」
抜けない。
良い感じに嵌まったっぽい。どうしよう?
「キュー?」
魔力ガード消せば?とヤクシに言われて前足だけ消すと、スポッと抜けた。
こんなん思い付かなかったの恥ずかしいぃぃっ!思わず両前足で顔を隠してしまったんだが……その間に壁破壊して中身取り出すのは、ちょっとお前ら冷たくないか?もっとかまって良いんだぞ?かまえ?
猫はかまって欲しい時にかまってくれないと不機嫌になるんだぞ!
「マスターはい、宝箱開けてどうぞ」
「にゃ」
へんっ。
まぁ開けるけれども!くっ、こんなんだから幸運スキルが本体とか言われるんだ!俺はエゴサしないけどヤクシが教えてくるから知ってるんだぞ!
いや、幸運さんは悪くないしお世話になってるから良いんだが、俺の幸運のお裾分けされてる一部探索者がネットのノリで言ってるのが悪いんだ。
「にゃー」
ポーションをタブレットにする道具のレシピ。
舐めればリジェネ、噛んで飲み込めば即回復という感じらしい。
まぁまぁかな、続き行こう。
「あ、部屋発見」
『おやー?鉱石研究室とか書いてあるなー?』
珍しいことにルームプレートが取り付けてあった。
「キュー!?」
鉱石ってことはロボ!?とワックワクなヤクシは置いといて、罠の確認してからスライドドアを開け…ガチッ…ん?
「………にゃ?」
……鍵掛かってる?
あっれー?ここまで廊下しか無かったよな?鍵がありそうな場所とか無かったよなぁ?
「まさか、先に進んで鍵を見つけて引き返してこいってことか?」
「キュ!?」
めんどくさっ!?とヤクシもビックリしたらしい。
ついでにマリモちゃんは、鍵が掛かってるとわかった瞬間、蔦を鍵穴に差し込んでカチャカチャやってる。
『シリンダー動かないんだけどー』
どうやらピッキング系は不可らしく、地道に鍵を探さねばならないようだ。
「うにゃぁぁぁん!」
発見スキル頼んどけば良かったぁぁっ!
因みに、扉は破壊不可オブジェクト扱いでダイレクトお邪魔しますは出来なかった。
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