第429話 ペットたちの生産力


家のペットたち、戦闘力だけじゃなく生産力もあるのヤバくない?


ミロクおすすめの『ダンジョンでスローライフ系』の小説が出来ちゃうよ?やらないけど。うん、さすがにそこまで世捨人にはなれない。


虫が嫌いだから山奥とかにも住みたくないけど……畑はセーフティハウスでドールがやってくれてるし、料理系はグレイが配信してて、モフモフはミロクが立派なモフモフだし、配信は既にバズってるし。


あれ?僕って既にダンジョン配信系小説してる?


でもなんか違う。


「うにゃ?」


ご主人こういうのいる?ってミロクに見せられた……なんて名前だったかな?海で泳ぐときに付けるやつ。


忍者が水に潜る時に竹筒咥えるみたいなアレ……………あ、シュノーケルだ!


「うにゃ」


鑑定結果がこれ。と言われてパソコンを見ると、色々付与されていた。


「うにゃにゃ」


水中呼吸が無いから海で遊ぶのにしか使えない。って残念そうなミロク。


「海には行かないなぁ……ほら、水着だと叔父さんのお守り持てないから」


首からかけてるけど海だと失くすの怖いからね。


「にゃ?」


じゃあ売って良い?と聞かれて頷いといた。


話には聞いてたけど、やっぱり季節ダンジョンに行ったんだねぇ。そろそろ秋に変わるから、その時に行けば良かったのに。中も外と同じように暑いんだから涼しい頃に行くのがいいと思う。


暑い中での山登りとかやってらんないよ。


「よし、出来た」


「キュー」


グレイは柄物似合う。とヤクシが言うけど叔父さんに送られた服の面影がないくらいにリメイクしてるから似合うんだと思う。


「というか、ジーンズ生地とかどうしたの?」


細身の黒いジーンズでポケットの中布が血飛沫柄である。作ったとはいえそんなジーンズ生地無かったと思う。


「マスターが色々混ぜて錬金したらジーンズ生地っぽいのが出来ただけでジーンズ生地ではない」


その証拠にと、グレイがジーンズを横に引っ張るとストレッチパンツ並に伸びた。触らせてもらうと普通にジーンズだったけど凄く伸びる。


伸びるのに薄くなってないというか、伸びてる感じがしない不思議なジーンズだ。


「ミロク?」


「にゃぁん」


レシピとサンプルは高村に渡してるもん。といってるが、高村さんに報告しとけば何やっても良いってわけじゃないからね?


「高村さんに投げられる錬金術師の人が大変だから自重しようね?」


「にゃー」


ただの鳴き声のにゃーだった。


「猫のふりしてもダメ」


言ったら凄く『なんでや』みたいな顔された。


「颯人様、マスターは猫だぞ」


「あ……じゃあ何も知らない猫のふりしてもダメ」


「キュ!キュー!」


マスター猫のふりだってー!ウケるー!とヤクシに爆笑された。


「ごめんよミロク、ミロクは猫だもんね」


ミロクは猫であることに異様に執着してるのに、僕ってばダメ飼い主かもしれない。


「うにゃ」


わかればいい。とお許しをもらった……あれ?何の話してたかな?


「颯人様、作った服を部屋に持って行ってくれ」


「あ、うん。ありがとう」


いつの間にかたたんでくれてたらしい新しい服を受け取って、僕の部屋に片付けた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る