第428話 帰宅してびっくり
家のオートロックは顔認証とか指紋認証とかでも開くけど、ちゃんと鍵もある。ただ合鍵を作るのが面倒なので鍵はグレイに持たせて僕は認証で入ってる。
だから扉を開けるまで中にミロクたちが居るか居ないかわからないんだよね。
「ただいまー」
「にゃぁん」
時間が微妙かなと思ったけど居るようだ。おかえりーと言いながら廊下からてとてと歩いてきたミロクは、そのままパタッと倒れた。
体勢を変えてヘソ天してみせたミロクは『さぁ撫でろ』と言わんばかりだ。これに抗える飼い主は居ないだろう!
「はぁ!ただいまぁ!撫でて欲しいの?かわいいなぁ!お出迎えありがとねぇ」
一瞬でテンション爆上がりした。
『うむ、くるしゅうない』という感じに力が抜けて廊下に溶けていくミロク。もっふもふ過ぎて幸せ。
「廊下に居付くな、手を洗え」
グレイに声をかけられるまで延々と撫でてたけど、注意されてミロクがリビングに行ってしまった。
うんまぁ、手洗いうがいは大事だもんね、あと5分くらい堪能させてもらいたかったけど、仕方ない。
手洗いうがいが終わってリビングに行くと散らかってはないけど雑然としていた。
どうやらグレイが裁縫、ヤクシがその手伝い、ミロクが錬金術、マリモちゃんは擬態をしているようだ。
とりあえずマリモちゃんに霧吹きで回復の水をあげてから、見回ってみる。
ミロクはドロップアイテムや魔石を床に広げている。パソコンには鑑定書の画面が映ってるから今日行ったダンジョンアイテムの鑑定が終わってから錬金術を試してたのかな?
まぁ、ミロクの錬金術はいつものことだから良いんだ。
「グレイは何を作ってるの?」
「普段着だな」
普段着?良く見ると叔父さんが送ってきた着ない柄物が分解されてる。
「セーフティハウスに雑貨屋が増えたらしく裁縫道具やミシンの良いやつが売ってたので買って、俺と颯人様の普段着作ってる」
「にゃ」
防御力の魔石と合成したからちょっと丈夫。とかミロクが言ってるんだけど、それって元々あった柄物衣類もそのまま合成したのかな?
「というか、何故僕の服?」
グレイはわかるよ?元々ドール用の執事服くらいしか無かったから。後は戦闘用のヤクシ布の服だったし。
普通の洋服を買うのは凄く遠慮されたのでミロクが何枚か服を作って渡したとは言ってたし、ちゃんと普段着っぽいの着てたけど。
「颯人様、最後に服を買ったのは何時だ?よれてるのが何枚かあるし、パンツのほうも裾が足りなくなってないか?」
………制服とか戦闘服ばっかりで気が付いてなかった!僕だって成長期だし背が伸びるよねぇ……たぶん2年くらいまともに服を買ってない気がする。
「ちょっとは背が伸びたんだねぇ」
「ここ最近は叔父に送られた中でまともなやつを着回していただろう?どうせ自分のを作るなら颯人様のも作ろうかとな」
そこで作るって方向に行くのがちょっとおかしいんだけどね?
「因みにそこに並んでるのが颯人様のやつだからな」
……コーディネートというか、下着や靴下もあわせた上下セットで3着ほどソファーに並べられてた。
「にゃ!」
因みに靴下は俺が作った!じゃないよ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます