第427話 ウィンドウショッピング


「Tシャツ……探索者用でTシャツって危ないけど……いや、まぁ普段着として着ちゃダメってことも無いだろうしTシャツがあっても良いのかな?」


買うわけじゃないけど見て回ると、普段着っぽい物も売っている。まぁ確かに探索用の服と普段着用で別な店に行かなきゃいけない手間は減るよね。


でも探索者用ってことで店を出してるから、吸水性抜群とか速乾とか色々機能的みたい。


「…………」


悩んでる三井君を見つけてしまった。鞄コーナーでリュックを見ながら悩んでる。


「何を悩んでるの?」


「神木……この鞄どう思う?」


三井君が指差したのは、四角いリュックだった。テレビで見たことある、えーと、自転車でご飯を運ぶ人が使ってるようなやつだ。


あれ僕の場合配達員さんの調査から始まっちゃうので頼めないんだよね。今はだいたいグレイが作ってくれるから頼む必要も無いんだけど。


あ、そうだった、鞄……どう思うって質問が曖昧では?


「えーと、どういう点できいてるの?デザインとか、機能性とか?」


「探索用として」


「えーと、大きすぎかな?」


普通に登山用くらいに大きいじゃない。収納鞄もあるんだからそこまで大きいのいらないよね?


「でもさぁ、今は神木に持ってもらってる諸々を収納鞄に入れたら、けっこうキツイと思うんだ。ドロップ品とかの回収用に鞄が欲しい」


僕が持ってる諸々……防水マットレスとか簡易風呂とか、入れたら確かにいっぱいいっぱいかもしれない。


「……三井君は、ここで鞄買うより卒業迄に小ダンジョンでお祈りした方が良いんじゃない?なんならミロクの人形を貸すよ」


「……え、俺は?ってどういうこと?」


「ダンジョンさんにはミロクのリスナー疑惑があってね……ほら、関係者ユニークとか聞いたことあるよね?飼い主の友達って注目度高いよね?」


「あ、あー……小ダンジョンに通うかぁ」


なんか納得したようで、リュックは保留にしたらしい。


結局、僕は何も買わなかったし、三井君はオレンジの七分袖ローブだけを買った。


因みに、安田君はスパッと参考書を選んだけど野田君は過去問集2冊で迷って、結局両方買ったようだ。


よし、家に帰ろう!

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