ダンジョンのある世界に猫として転生した件

第423話 季節ダンジョン 15階ボス

ロックアントはまあまあ固い蟻さんだ。元々が鉄の剣を防ぐアントに何故か岩をくっ付けたロックアント。音楽のほうのロックアントも居るので間違えないようにしなきゃいけない。

今回は岩のほうの蟻さんだ。注意点としては外装の岩をパージしてとばしてくるってところ。

その前に倒すのがベストで、打撃系もしくは魔法が有効である。

あ、火の魔法を使うと蟻さんが爆発して岩とか飛び散るって鑑定に出てきた。

「うにゃ」

まぁ虫には冷却ビームって決めてるから。

効果は抜群だ！というか、俺は魔法系なので魔法の方が攻撃力高いのだ。

ドロップ品は何故かダンジョン産の殺虫剤スプレー10本セットだった。人や動物には無害な安心安全な殺虫剤と鑑定できた。

蟻さんのドロップ品が殺虫剤なのは狙ってるのだろうか？ダンジョンさん、実はモンスター嫌いなのでは？

「マァスゥタァァ……」

あ、グレイ来た。そしてたぶんオコだ。

「うにゃにゃぁ」

グレイは不足の事態での経験が足りないと思ったからやった。

俺と一緒だと幸運が仕事してご都合主義が発動するからな。グレイはハプニングの経験値が足りないと思ってたんだ。

別にグレイが嫌いで転がり落ちる岩モンスターをスルーしたわけじゃないぞ！

「……それは、まぁ、認めるが。だが岩モンスターを加速させて押し付ける必要あったか！？」

「うにゃ」

めんどかった。

「だろうと思った！」

いや、ね？転がり迫る岩とか、か弱い猫ならスルー案件だろ？加速しちゃったのは蹴飛ばしたからだけど、ほら、避けるためにさぁ。

「良いけどな！確かに不意打ちとかに弱いことがわかったから良いけどな！ユニークドールとして強化しなきゃいけない部分が見えたことは良いけどな！」

……コイツ、自分が下手うったことに怒ってない？ユニークドールとしてのプライドが傷ついた感じ？

「にゃ！」

頑張って！

「………はぁ」

応援したのにため息ついた！？何でだ！？

「ところで宝箱は開けないのか？」

あ、忘れてた。

グレイに言われて宝箱を開けると、シュノーケルだった。えーと、水泳と潜水と水中行動補正の効果がついたシュノーケル。サイズ調節機能あり。

「にゃぁ」

水中呼吸がついてないのバグでは。

シュノーケルのくせに水中の呼吸についてはスキル補正がついてない。むしろシュノーケルじゃなくて足ヒレでよかったのでは？

このダンジョン、とことんアイテムを外してくる。なんかちょっと違うアイテム出してくるなぁ。

「にゃぁ」

ご主人は夏に海に行くって感じじゃないから売りだな。

「ダンジョンの海エリアで使うだろ普通」

あー……

「うにゃ」

一応いるか聞こう。

ちょっと海エリアのこと忘れてた。ご主人の交遊関係ばかり気にしてたから普通にシュノーケリングで遊ぶことはないだろうなって。そうかダンジョン用か、だよな、効果付きアイテムなんだからダンジョン用だよな。

……だったら尚更水中呼吸必要だよな？