第422話 季節ダンジョン 15階
竹林に入ったは良いものの、筍は見つけられなかった。
俺は気が付いてしまったのだ。竹林の中に成長しすぎてる筍……いやもはや竹を見て気が付いてしまったのだ!
「うにゃ?」
筍の旬って春じゃね?
「ハッ!ここは季節ダンジョン!ということは……」
そう、筍は無いかもしれない!
「いや、ダンジョンだから筍モンスターとかいるかもしれないぞ?」
グレイが思い返してるけど、ここは季節ダンジョンと呼ばれているようなダンジョンだ。
だったら外の季節の通りにモンスターも移ろうと予想すべきである。
ただ、今は家猫であるし、前世は都会住みだったので夏の山で何が採れるのか知らんのだ。山の幸って秋が多い気がする。
もしや来る時期を間違えたのでは?
「にゃ!」
ハッ!
考え事してたら危機察知が発動した!本能に従って後方に跳び退いた。
「うおっ!?」
うむ、グレイが竹に弾かれて結構な距離飛んでったな。
「にゃぁ」
竹トレントとか聞いてない。
ワサワサブンブンしながら体?を大きく振り回してる竹が居た。トレント系はなぁ、ちゃんと見ようと思わないと擬態がなぁ。
竹自体がしなりがあって罠とかで使われるのにトレントとか不意打ちでフルスイングされたら吹っ飛ぶよねぇ。
まぁ、切れば問題無いんだけど。
そう思いながら根本付近をひっかいてやれば、半分に割られて節も綺麗に落とされた竹がドロップした………もしやそうめん流し用の竹か?
「う、うにゃん」
ま、まぁ竹は何にでも使えるし節もとってあるなら楽で良いよな。
たぶんそうめん流しには使われないだろうと思いつつ、吹っ飛ばされたグレイを探しに移動する。
ダメージはあまり無かったと思うんだ。吹っ飛んだだけで。
むしろ吹っ飛んでいく途中で折られた竹の方がダメージ入ってると思う。
……勢い弱まって竹に当たって反動で変な方向にとんでなきゃいいけど。
「にゃぁ」
グレイー。
「にゃぁ」
グレイー。
居ませんねぇ。困りましたねぇ。探してうろうろすると二次遭難の危険性があるからここは諦めるしかありませんかねぇ。
「にゃ!」
というわけで、先行くからな!
よし、言い訳もしたし山登り再開だ!竹林を抜けると岩が多く置いてある低木ゾーンだ。
ここは少し雑草も生えてるけど、地面は砂利っぽいので滑落の危険性が高いゾーンだ。
だから魔力板を足場に使いながら岩から岩へ移動していくのが良いと思う。
ピョンピョン跳んで、たまに落石に擬態したゴーレム亜種っぽいのを蹴り跳ばして加速させて落としながら上に登って行く。
何か下でグレイっぽい驚く声がしたけど、たぶん気のせい。
そうこうしてるうちに、岩だらけになり、人間ならロープとかかけなきゃ危ないなって感じになってきた。
まぁ俺はピョンピョン跳んで移動できるので魔力板使わなくていいし、楽なのだが。
こういう時、下を見ちゃうと下りられない猫モードになってしまうので上だけ見なきゃならない。登ることだけ考えなくてはいけない。
そうして、最後っぽい岩に跳び乗ると、不自然に広く円上に平らな山頂に到着した。
さぁて、ボスは……ロックアントだ。
いや、数の暴力代表みたいなアント系を1体だけでエリアボスに配置するとかダンジョンさん鬼畜では!?
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