第420話 季節ダンジョン 13階


お魚ジャーキー、ヤクシ命名干からびたカマボコは美味しくいただきました。


「にゃぁ?」


まだ時間大丈夫だよな?


「颯人様が何時に終るか不明だが、まだ昼だし大丈夫では?」


ご主人の帰宅時間がわからないのがなぁ、まぁタイムリミットは午後3時くらいにしとくか。


ヤクシとマリモちゃんがだいぶ暴れたからここまで来ちゃったけど、本当ならまだまだ浅い階層だった筈だし………あれ?


「うにゃ?」


帰還用の陣って5階層ごとにしかない?


「……そういや、そうだな」


「にゃぁぁっ!」


次行くからぁぁっ!


山登り分があるんだから中途半端な階層でまったりしてられない!せめて15階に行ってからじゃないと!


まぁ、ドラゴンズの心配なんてしても仕方ないので、行こう!奴等は飛べるのだ!


もう待たずに先に行って13階。


「にゃ!」


ズルしようと思う!


というわけで、グレイの腕の中にIN。さぁ飛ぶのだグレイ!


「このダンジョンに来た意味よ」


「うにゃ」


鳥は任せろ。


グレイに平行するように魔力板を下に出してるからな!下からの鳥砲弾は防いでるぞ!


因みに、雑魚モブモンスターではあるが魔力板にぶつかっても自滅はしない模様。このくらいの階層になると雑魚でもそこそこ固い。


ただ、猫パンチすると普通に倒せるから攻撃かそうじゃないかという差が出てるようだ。


「ヤクシ先輩みたいにスリルは求めて無いので上行くぞ」


森部分の上を飛んで一直線に山頂を目指すグレイ。それを狙ってやって来る鳥系モンスター。


「にゃぁ」


なんかトレインしてる。


「大丈夫だろ、後ろからマリモちゃん先輩来てるし」


うん、それのこと言ってる。グレイを追いかける鳥の群れを追いかける大きなドラゴン(大型トラックサイズ)でトレインになってる。


因みに本当のマリモちゃんは特撮怪獣の大きめサイズなのだが、フィールド型ダンジョンであっても小さく感じるので大型トラックサイズである。


それでも普段の猫サイズに比べると、だいぶのびのび出来ているようだ。ただ、そんな大きなドラゴンに追いかけられてるの恐怖過ぎなんだが?


鳥モンスターかわいそ。


俺達も鳥モンスターもドラゴンから逃げてる仲間みたいな構図だ。


「そろそろ着くぞ」


「にゃ!?」


ほわっ!?


急に落下始めるじゃん!?内臓浮いたんだけど!


ゴァァァァァォッ!


「うにゃぁぁっ!?」


なんか出たぁぁぁっ!?


「マリモちゃん先輩がブレスだしただけだろ」


いや、頭上を光線っぽいのがバーッ!って通りすぎていったんだぞ!?もっと驚け!


なんか魔石とか鶏肉とかが浮いてる!それをヤクシが超スピードで回収した!


「……にゃ」


……疲れた。


「まだボスが居るんだが?」


「キュー!」


僕行ってくる!とヤクシがボスのブラックスパイダーに突撃しに行った。


『置いてくなんてー酷いよねーあれー?なんかマスターお疲れではー?』


「疲れたらしい」



お前らのせいだが?猫は繊細な生き物なんだから、頭上でブレスとかやめれ。思わずグレイの腕に爪を立ててしまったじゃないか。


ごめんグレイ、服に穴空いた。

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