第399話 ツルハシのお礼


夕飯を終えてまったりしてたら、ご主人がオモチャやにゃーるBOXなんかを俺に渡してきた。


何でも、三井たちから幸運ツルハシのお礼として預かったそうだ。


高級猫缶はダンジョンで食べる用にしてねと言われて何故かグレイに渡してた。


いや、まぁご主人と遠出してダンジョンに行けない現状で、猫缶を開けるならグレイに頼まなきゃなんだけどな?


一先ず俺に渡してくれても良いのでは?グレイに渡すと成分表とか見て高級猫缶を自作しちゃうぞ?


「オモチャは色々あるから、ダメになったやつと入れ換えようね」


「……にゃ」


……はい。と渋々頷いたのだ。元人間として破けたのとか汚れてるのとか衛生面で捨てたい気持ちはわかるのだが、猫としてはお気に入りが捨てられる!?とだいぶショック。


新しい物って何故かちょっと警戒しちゃう。新しいオモチャだと理解してるのに警戒しちゃうのはたぶん本能。


見慣れぬ物があったら様子見するか、ちょっかいかけに行くか、なのである。俺は気分によって違う。


「お魚人形は持ってるでしょ?何で初見っぽい反応してるの?」


「うにゃ」


スンスンしちゃうの。


習性に文句言われても困る。実はダンジョンでもスンスンしてまわりたい気持ちはあるんだけど、我慢してるのだ。


「あ、これは初のオモチャじゃないかな」


そう言って取り出したのはスズメ型のオモチャだ。


「これはテイムモンスター用のオモチャでダンジョンドロップなんだって」


……スズメのようにぴょんぴょん跳ねて床を移動するし、自動で逃げるし、なんならちょっと飛ぶ。魔石補充型オモチャである。


出来れば外か、何もない部屋で使ってくださいって鑑定でアドバイスもらった。


それをご主人に伝えると、俺が遊びたい時に使えばいいよと言われた。


今は気分じゃないのでストレージにポイする。


「三井君のお家ってお父さんもお姉さんもテイマーだから、皆オモチャを取ってきては倉庫に詰めてるんだって、余ってるやつで悪いけどって言ってたよ」


「うにゃ」


三井はテイマー一族なのか。


……あれで?いや、ご主人に聞いた話だと銀もおバカじゃなくなってきたらしいし、ユニークテイマーな父親のせいで三井が勘違いしてたみたいだし。優秀なのはそうなんだけど本人の努力だよな!


「一族というか、動物に触れあう機会が多い人はテイマーが出やすいとか、そういうやつだった」


……そう言えば、職業選べるようになったの最近だもんな。そりゃテイマーの子は親のテイムモンスターと触れあう機会が多いよな。


「うにゃ、にゃぁん」


うん、まぁ皆にお礼言っといてね。


ご主人の分のついでに作ったツルハシ程度の物でこんなに貰っちゃった。ラッキー!

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