第398話 次は何処にする?


大量のアイテムを作ったのでグレイが高村に売りに行った。最近は1人でのおつかいもしちゃうグレイはご近所のママさんたちのアイドルである。


なんというか、家事の大変さを理解してくれるイケメンなんて、ドールとか関係なく好き。なんだそうだけど、観賞用というか愚痴りあえるアイドルみたいな存在という感じらしい。


グレイがおつかい中に、俺とヤクシ、時々マリモちゃんで次のダンジョンを決めることにする。


ご主人たちも、あと何回か遠征実習があるので、俺達も次の候補を探さねばならない。


「キュー」


討伐だけのがいい。といの一番に言ったヤクシだが、たぶん俺達皆そう思ってる。


「にゃぁん」


フィールド型で思いっきり走りたい。


だってダンジョン外だと思いっきり走るとか無理なんだもの。


地面が抉れたりするし。その点ダンジョンなら被害はダンジョンとモンスターだけだし。


だからフィールドを駆け回りたいのだ!


「にゃぁん」


とりあえず、討伐とフィールド型で検索する。


インターネットって便利だよな!


「キュー」


結構あるけど、ここがいい。とヤクシが指差したのは中級50層のフィールド型巨獣の楽園というダンジョンだった。


ギミックが有るわけでもなく、ただ広くてモンスターがデカイだけのダンジョンだ。


ただし、広いので次の階層に行くための階段までが遠いし、移動だけで疲れるのにモンスターは大きくてタフで倒しにくいという注意書があった。


たぶん俺達には関係無い。皆飛べるし、疲れたらグレイに抱っこしてもらえばいいし、モンスターは大きくても俺達の攻撃力なら楽勝じゃないかな?


問題は場所だ、九州だぞ?遠すぎないか?移動だけで1日使うやつじゃないか。


「うにゃ」


遠すぎ。


「キュー」


候補でしょ。って言われたら、まぁそうなんだけど。


ご主人の遠征先によってはあり。という話になった。


『マリモちゃんはー自然体験ダンジョンかなー』


マリモちゃんの選んだダンジョンは30層のフィールド型ダンジョンで、罠とかもないが環境変化ダンジョンだった。


暑さや寒さは勿論水中等の階層があって、それぞれに対応する装備が必要になってくる。


まぁ装備とかアイテムを作るのは、レシピがあるから簡単なんだけど、そのアイテムを作るための素材を取りに色々なダンジョンに行かなきゃならない。


買えば良いのだろうが、そういう素材の大半は錬金術協会に回されているので協会に所属してない人が買うならネット。ただしネットだと当たり外れがある。ギルドのネット販売にもあるけど錬金術が優先される。


そう!ジョブ無し錬金術猫の俺だとダンジョンに入って自分で取ってきた方が早くて安いのだ!


「うにゃぁん」


環境に対応するためのアイテム素材集めに協力してくれるならいいよ。


『えー?必要なくなーい?』


……確かに、魔力ガードで頑張れる気はするけど、この前熱いやら寒いやらでサボったの誰?


「うにゃ」


ダメです。


というわけで、次のお泊まりダンジョン選びは難航した。

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