第397話 アクセサリー作り


物凄く嫌だが、爪は伸びるので切る。ここ最近の分は保存してあるのだが毛とは違って数に限りが有りすぎる。


「うにゃ」


そうだインゴットと合成しよう。


魔鉱石のインゴットと爪1個を合成すると、ラック値アップと攻撃力+1されたインゴットができた。


ただし、名前がミロクのインゴットに変わったのは解せぬ。俺のインゴットってなんだ。俺がインゴットなわけ無いだろう。むしろ猫は液体とか言われるんだぞ。


まぁいいや。金属ではあるんだからアクセサリーに使える。


探索者が着けておけるアクセサリーならブレスレットとかピアスとか……あれ?金属アレルギーの人に配慮いる?


「にゃあ?」


魔鉱石って金属アレルギーなる?


「ならない。そういうところの配慮はしてくれるのがダンジョンだぞ」


ダンジョン産の金属はうっすら魔力が込められているらしく、それが関係するのかは不明だが、鉄でもダンジョン産ならアレルギーはおこらないそうだ。


ありがたい配慮ではあるけど、もっと違うとこ配慮して欲しいというのが殆どの探索者の気持ちらしい。


グレイは起動後、情報収集のためにダンジョン関係のスレを見まくって知ったようだ。


というわけでブレスレットとピアスを作るんだが……ブレスレットは細めのプレートに猫がヘソ天してる姿が彫られていて、両端からチェーンが伸びて留め金というタイプになった。


そしてピアスはシンプルに猫の頭シルエットだ。


因みに、俺は一切デザインに関わってないというか、錬金釜におまかせ錬金なので、デザインはたぶんダンジョンさんである。


「にゃぁ」


ブレスレットはプレートだけ作って紐にしようかな。


なんか全部ミロクのインゴットだとインゴットを無駄に使ってる気がするんだ。だから長めの紐を付けて、自分で結んで調節しなさいって感じにしよう。


このブレスレットはご主人に……と言いたいところだが、ご主人はこれより良いやつ持ってるので邪魔になるだけである。


アクセサリーだと同じ効果のアイテムは良い方が反映されて、もう一方は効果無しっぽいのだ。だからこそアクセサリーではない人形とかを持たせてあるんだけどな。


というわけで、グレイ行きである。


「……無駄にサイズ調整付いてるアイテムとか、こんなテキトー錬金で作るんじゃない」


「にゃぁん」


俺じゃなくてダンジョンさんだもーん。


濡れ衣だ!俺は一切関わってないぞ!何も考えずに魔力入れて混ぜただけだ!


「幸運が仕事しすぎだろ」


それよりさ、グレイってぬいぐるみ作り終ってから……なにやってんの?


えーと、レジン液とな?あー、あれか、紫外線で固まるやつか!


なんか琥珀っぽい色の宝石の形した塊が沢山作られている。中に俺の毛を封入するのはどうかと思うけど、何故かラック値アップが付いてる。魔力使ってないのにダンジョン関係のアイテムになるのはどうなんだ?


「にゃ?」


それどうすんの?


「このまま売るもよし、加工するもよし、面白そうだったので作っただけだ」


なんかヤスリかけしたりして結構綺麗である。ペンダントっぽく加工してやろう。


そのまま売るのは高村に相談してからじゃないと、勝手に加工されて高値で売られそう。


まぁ勝手に加工したとしても、付いてる効果がどうなるかわからんし、調べてからだよな。

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