第392話 お休みは休もう


書類の確認や、買い取りなどを済ませてから研究所送りになるアイテムの受け渡しがされた。


ミロクは買い取り分のお金を現金で受け取ってグレイに渡してた。何でも手芸用品を買ってきて欲しいんだとか。


「成る程、キーホルダーの金具なんかを買ってくれば良いんだな?」


「にゃ」


一通り見たい。とか言ってるけど使うわけじゃないのかな?


「うにゃにゃ」


ダンジョンでは普通の金具だと弱くて危ないけど、構造が知りたい。と追加で言われて納得した。


「成る程、本当に一通り買ってくれば良いんだな」


「にゃ」


各種1個って、それはそれで大量になりそうだね。


でも確かに今までのは紐みたいなものだったし……いや、ヤクシの毛で作ってるから下手な金属よりも頑丈なんだけど。


ちゃんとした金具の方が付けやすくていいね。


というわけで、グレイはお使いに行って僕らは家に帰ったよ。


「うにゃ」


「ん?今?」


家に帰ったとたんに遊ぼうのおねだりをされた。


どうやら昨日は遠慮していたみたいで、今日は一緒にいるんだもーんと楽しげだ。


うん、まぁ、朝からべったりだとは思ってたよ。朝起きて足元うろちょろして歯磨きする時も朝ごはんの時もピトッとくっついてたからね。


遠征中はミロク達も楽しんでたと思ったけど、寂しかったのは変わらないようだ。


「可愛いなぁミロクは」


でへへぇうちの猫かわよぉ。と言ってしまいそうなくらい可愛い。


とりあえず抱っこしてブラッシングしてマッサージして肉球のお手入れと毛の処理してとぅるっとぅるつやっつやの美猫に仕上げた。


そして写真を連写。


「うにゃ」


写真をパソコンに入れて。とお願いされたので撮った分を全てコピーした。


すると、写真の加工を始めて……ミロク?知らない間になんか色々な加工ソフトが入ってない?


なんか文字入れたり背景消したりミロクを白抜きして黒で帯入れてみたりとスタイリッシュなデザインになってるんだけど?


それを印刷したかと思ったら、錬金釜を取り出して、印刷した紙(ハガキサイズ)とマリモちゃんの花びらとスライムジェルを入れて合成。


「にゃぁん」


ミロクステッカーできた。


なんか、無駄にって言ったら悪いけど、無駄にカッコいいステッカーだ。


「いや、なんで急にステッカー作ろうと思ったの?」


「にゃ!」


ハッ!と驚いてるみたいなので、ついやっちゃったみたいだ。


「うにゃにゃ」


俺としたことがついグッズ作成しちゃった、猫なのに働き者なのは解釈違い。とにゃごにゃご言ってる。


猫が猫の解釈違いとは?


「にゃにゃ」


働きすぎたんだ、昼寝しよう。と僕を昼寝に誘い、ミロクのひえひえクッションに座らされた。


人間が椅子に出来るくらい大きいクッションではあるけど…って気持ちいいな!?猫どころか人間も駄目にしそうなクッションだ。


しかも程よくひえひえで、薄い膝掛けを毛布代わりにすればお昼寝準備万端だよ。


ミロクは僕の顔の横で伸びて寝てるし、ヤクシとマリモちゃんは帰ってきて即寝てるし………これは抗えません。


やっぱ自覚してなくても疲れてたようで、即座に寝た。


因みに、帰ってきたグレイは全員猫部屋で寝てるのを見て、今がチャンスとばかりに猫部屋以外の掃除とカーペットなどの洗濯と僕が持って帰ってきた食材の加工まで終わらせたそうだ。

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