第391話 ラック値といえば…
ミロクの用事でギルドに行ったら、高村さんにヤバ気な話をされてしまった。
殆どのアイテムが初見アイテムとかヤバくない?何がヤバいって他の探索者がクリアできないダンジョンからのお題をクリアしちゃう猫達がヤバくない?あと宝箱アイテムが良いアイテムになるミロクの幸運。
「うにゃにゃ?」
「クリア出来てないんだからラック値関係なくないか?って言ってます」
「クリア出来てもろくなものが出ないからラック値上げたいんですよ」
……それはそう。ずいぶん面倒なダンジョンみたいだし、宝箱アイテムすら渋いならクリアする気が無くなるもんね。
「うにゃ」
「小アップで良いならいくつか持ってるらしいです」
「是非買い取らせてください」
「そういえばダンジョンのお題で用意された材料使ってグッズ作ってたな」
確かに、昨日の流し見でそんな所見たような?
ミロクがストレージから猫の顔の形したチャームっぽいのを沢山出した。
「うにゃん」
「材料タダだし効果もショボいから安くて良いぞだそうです」
「ショボいといっても現状ミロク君にしかラック値上げのアイテム作れないので適正ですよ」
ミロクも言わないから、高村さんがミロクグッズをいくらで買い取ってるのか不明なんだよね。でも欲しい人は本当に欲しいと思う。
「あ、そういえばカロリーバーパーティーの人達がミロクの人形を拝みながらモンスター倒してドロップ品ガチャやったら面白そうだよね?って話してなかった」
「にゃ!?」
何それ!?ってミロクの興味は引けたみたい。
「ドロップ率が凄く悪い人達で、何日かダンジョンにこもってモンスター倒してたんだけど出なかったみたいで、僕に持たせてくれたミロク人形を拝んだらなんとかドロップしたって話しなかった?」
「キュー!」
そんな面白そうな話聞いてない!って何故かヤクシに怒られた。
「ミロクのグッズってネット販売だと手に入りにくいらしくて、しがらみの無い人達だったから本部のあるこっちに引っ越してきてギルドで売ってる方のグッズを狙った方が良いんじゃないかとか話してたんだよ」
「うにゃ?」
「そんな出ないの?ってドロップが?うん。レアモンスターのドロップ納品依頼だったみたいで、ドロップも出ないけどレアモンスターもなかなか遭遇しなかったみたいだよ?」
「キュー」
「ヤクシ先輩、面白そうとか言ったら駄目だろ。そいつらの生活的に」
「うん、どうせ出ないならガチャ配信みたいな感じにしちゃえば良いのでは?って思ったんだよね。ガチャ爆死するのとかエンタメなんでしょ?」
そういう配信があるのは知ってるよ。
「成る程、それで颯人君は毎回爆死だと面白味にかけるのでミロク君人形を拝んでラック値に補正をかけてみてはどうかと思ったんですね?」
高村さんまでのってきた。
「はい、最初はどれだけ出ないか証明して見せたあと、お祈りしてドロップするかしないのか一喜一憂する配信ってやつです」
派手にバズらなくても応援する人は出てくると思うんだよね。
「うにゃ」
「ダンジョンを選べば面白そうって?」
「うにゃにゃ」
「最初は普通のダンジョンでやって、あとはファンシーダンジョンみたいなダンジョンでやれば更に面白そう……ってそれは流石に鬼畜過ぎる企画では?」
「良いですね、ちゃんとこちらで企画を作れば売れそうです。確か学校にカメラ映像を提出してますよね?後で確認して事務所に所属させときます」
え!?
今所属させときますって言った!?
「え、いや、僕が思っただけで彼らに話したわけでも無いですし」
「大丈夫です、お話すればわかってもらえます」
凄い笑顔で言いますけど、それって脅すのと変わらないのでは…いや、はい、うん、しょうがないね。
高村さんはやろうと思ったらやるもんね。ちょっと僕もミロクを拝んどこう。
カロリーバーパーティーの人達が高村さんにあまり無茶振りされませんように!
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