よし!

第388話 帰宅しました


遠征から帰って来て、なんだか懐かしい気がしてくる我が家へと帰ってきた。


「にゃぁぁん!」


ご主人お帰りぃぃ!とテンションあげあげなミロクが跳んで来たので驚きながらもキャッチした。うん、まぁ予想はしてても驚くよね。


「ただいまミロク、いいこにしてた?」


挨拶のつもりで言ったのに、チョロっと目が逸らされたのを僕は見逃さなかった。


「え、何したの?今目を逸らしたよね?」


「うにゃぁ」


ダンジョンアイテムがヤバだったの。とエヘッって感じで言ってるけど、ヤバいドロップアイテムってどこのダンジョンのヤバいだろうか?


セカンドドアのある錬金術系ダンジョンかな?さすがに肉ダンジョンとかではないと思うんだけど。


「どこのダンジョンのアイテム?」


この時軽い気持ちで聞いちゃったことを、僕は後悔している。


「うにゃ」


ファンシーダンジョン。


あいにくと僕はファンシーダンジョンを知らなかった。それが顔に出たらしく、ミロクがグレイにテレビのセッティングを頼んだ。


映像を見た方が早いと思ったようだ。



そして、映像を見ながらダンジョンの簡単な説明をグレイがしてくれて、ミロクやヤクシやマリモちゃんまで映像を見ながらダンジョンに文句を言っていた。


「そして問題になりそうなドロップアイテムや宝箱アイテムの鑑定書がこれだ」


問題になりそうだからギルドに送信せずに印刷して書類として高村さんに渡す分らしい。


「うにゃにゃ」


良さげなやつは鑑定書作っただけで売らない。とかミロクが言ってるけど、これは売ったら大変なことになる気しかしないね?


「聞いたこと無いアイテムばかりなんだけど?」


「ホームページで確認したが、アイテム登録されてなかったので初アイテムなんだろうな」


「キュー」


幸運が本体。はちょっと違うと思うけど、ヤクシの言いたいことはわかる。


『ご主人がー健康になるならー売らなくても良いのではー?』


「えぇ?僕?」


思わず言ったら、皆に不思議な顔をされた。


「だって人間は颯人様だけだし」


「うにゃ」


「キュー」


『植物用でもないしー』



猫用じゃないしとかモンスター用じゃないしとかはわかるんだけど、マリモちゃんは植物じゃないよね?分類はドラゴンだよね?


でもまぁ、うん。確かに使用出来るのが僕だけなんだね。確かに動物は入らなさそうなダンジョンではある。


映像は垂れ流しにしてるけど、ミロク達ってまさかのダンジョン泊?いや、セーフティハウスに泊まってるから快適さは違うけど、まさかだよ。


動物は入らなさそうなダンジョンなのに動物が来ちゃったから、その弊害が全部グレイに行ってる。


それにしても、お題が面白いね。うん、見てるだけなら面白いよ?


上級の探索者が無茶振りに強い理由って叔父さんとか高村さんのせいだけじゃないんだね。あと無駄に演技力があったりするのって、このダンジョン以外にもこういうダンジョンがあるからかな?


とりあえず、叔父さんは無理なダンジョンだなって思った。


「うん、まぁアイテムはミロクがどうするか決めれば良いよ………でさ?ミロクはファンシーダンジョンって言ってたけど何処がファンシーなの?」


「うにゃ」


ダンジョンはファンシー迷子なんだ。ってよくわからないことを言われた。


そしたらグレイが、探索者達のクチコミとか掲示板情報を教えてくれた。


僕の疑問は皆が思ってることだったようだけど、何が正解なのかわからないので、結局ミロクが言うところのファンシー迷子で落ち着いた。


「とりあえず、録画を見てる限りミロクの幸運が仕事しすぎたのはわかったよ。えーと、なるべく高村さんに迷惑かけないようにね?」


「にゃぁん」


はぁい。って返事は良いんだけど……なんというか、頑張ってください!


お祈りして、録画を見終わったあと、夕飯と風呂を済ませてマッタリタイムに僕の遠征の話をした。


特に変わったこともなく、面白味の無いお話で申し訳なかったよ。

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