第378話 28階 卵探し
28階前に休憩である。因みに28階のクローバーは黄土色だった。これはファンシーというよりモダン?知らんけど。
セーフティハウスでトイレやご飯を済ませて一眠り。
欠伸しながら外に出てハウスを回収してる間にグレイがお題を読み上げる。
「イースターエッグイベント開催中!特別大放出!28個の卵を探せ!だそうだ」
俺、知ってるんだ。こうやって探し物させる時ってダンジョンさんは雑然と並べすぎた雑貨屋を2倍濃縮したような部屋を用意してるんだって。
「にゃ……」
また家具運びしなきゃなのか……
あと鑑定祭な。卵形の宝石が填まった指輪とかがイースターエッグ扱いだったりするんだ、きっと。ここのダンジョンならそういうことする。
皆げんなりしながら扉を開けると、雑然とした雑貨屋どころではなかった。ゴミ屋敷系だった。
「うにゃ!?」
おい美意識!?
ここファンシーダンジョンじゃなかったんか!?部屋の床が見えないくらいに物が散乱して、縛ってあるゴミ袋とか空のポーションビンとか、服や鎧なんかも落ちていた。
「これ、ダンジョンで回収されたゴミが混ざってるのでは?」
「キュキュー」
不法投棄が巡り巡って探索者を苦しめるのだ。と言ったヤクシが直後、でも僕たち関係無いよね!と荒ぶった。
『とりあえずー確認しながら出すしかないしー、マスターは鑑定係で待機してー、マリモちゃんたちがマスターに持ってくる係ねー』
というわけで、ゴミの分別から始めることになった。ついでに錬金釜も用意して、素材になりそうなものは分解して持って帰る所存。
世はえすでぃーじーずの時代なのだ!俺は流行にのれる猫なのである!
うん、ゴミ袋の中に卵を入れるのは卑怯だと思うんだ。あとラムネ瓶のビー玉が卵になってたりするのも卑怯だろ。卵だって鶏卵だけじゃないはず!と思ってたし、なんなら小さすぎる卵形の何かだってあるはずだとは思ったけど。
コアラ人形の鼻を取ったら卵ってなんなんだ!地味に似てない人形だなぁとか思いながら鑑定したら鼻が卵と教えられた俺の気持ちがわかるか!?俺もわかりたくはなかった!
因みに、現在30分経過時点で部屋の4分の1が終わって、見つけた卵は5個である。袋を開けたりしなきゃならないので時間がかかるのだ。
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