第377話 27階 沈黙のモンスターハウス


ご主人はエナドリ要らないだろうし、差し入れとして高村にあげるとして、次の27階では、原色紫の四つ葉のクローバー柄だった。


四つ葉のクローバーのくせに全然幸運を呼びそうにない色である。毒々しいなぁ。


因みにお題はモンスターハウス(オークナイト可愛いブタさんぬいぐるみ風)で、しかも沈黙の状態異常付きである。


俺は状態異常無効を持ってるが、これは部屋の環境扱いなので、誰でも沈黙状態になるようだ。


「キュー」


つまり無詠唱で魔法使えってことだね。と簡単そうにヤクシは言うが、世の探索者さんたちにとっては簡単ではない。


無詠唱なんて高村よりちょっと下くらいの奴らくらいからしか使えないのだ。言葉に出さないと魔法が発動しない人達が大多数なのだ。


まぁ、魔力操作が出来るかどうかって話なので、俺達は使えるけどな!


因みに、マリモちゃんは念話なので沈黙も関係無いもよう。


というわけで、突入!


ひっかくで部屋にびっしり入ってるオークナイトを倒していくのだ!


にゃーにゃー言っても声は出ないが、サイレントにゃーも得意なのでそれほど違和感もなく、リズムを刻むためににゃーにゃー言いながらひっかいていく。


ヤクシはグレイにバフを入れたあと、普通に魔法で範囲攻撃してるし、マリモちゃんはちょっと大きくなって、何故かオークナイトと殴り合いしていた。


マリモちゃんは完全に遊んで…というよりサボっている。マリモちゃんと殴り合いなんてオークナイトじゃ役者不足にもほどがあるだろ。前にワンパンで倒してたもん。


たぶん、花畑作るの頑張ったからここでは頑張らないとか思ってるはず。


それはそれでいいけど、マリモちゃんが大きくなったせいで微妙に部屋が狭く感じるのだ。


というよりモンスターハウスのくせに密集させ過ぎてオークナイトが身動き出来てないんだが?多けりゃ良いってもんでも無かろうに……


数が減って動けるようになったオークナイトはグレイに2体で連携攻撃してたりするので、ダンジョン側の過失はデカイ。


因みに俺は素早く移動して暗殺ネッコをやっている。密集オークナイトを間引いたのは俺です。


いや、倒しやすいは倒しやすいんだけど、罠にかかった獲物にとどめさすような気持ちになるし、ちょっと戦闘しました感が欲しいのよ。


オークナイト、盾で俺を吹っ飛ばそうとかしてくるし、弱いわけではない(強いとは言ってない)ので、回避する手間が発生するけど、戦ってる感は出てる。


まぁ、レベル差はあるので結局誤差の範囲なんだけどな。


というわけで、全部倒し終わってドロップ品を見てみると……なんか変なパウチみたいなのだった。


鑑定結果、ダンジョン産移植用皮膚シートらしい。生まれつきのアザ等、皮膚の交換に使えるシートなんだそうだ。


なんか使い道は色々有るみたいだけど、美容というより医療系?いや、美容医療というやつに使われる物らしいな。


………なんかグレイの皮膚がこのシートっぽいのは気がつかなかったことにしよう。


たぶんグレイの材料の中の一部を錬金釜で混ぜるとこのシートになるんだろうなとは思うけど、レシピが発見されるまで黙ってようと思う。

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