第375話 25階の結果と26階


時短が流行ってるという理由で、200ピースのジグソーパズルを約20分で終わらせたグレイ。


完成した瞬間、パズルが縦に浮かび上がり、下からバラけるような演出で消えていった。


「何してくれてんだ!」


苦労して完成させたグレイの神経逆撫でしとる……まぁパズルが消え終わったら宝箱出てきたんだけどな。


激おこグレイを横目にヤクシなんかは宝箱に興味がいってる。


仕方ないので宝箱を開けると、箱だった。鑑定してみるとネイルサロンBOXと出たんだが……サロン?


詳しく見てみると、セーフティハウスのネイルサロン(個室)版みたいなものだった。さすがにダンジョン外で使う前提の物だし、コンテナハウスにネイルサロン再現しました!みたいなもので、持ち運べるネイルサロンというだけのアイテムだった。


欲しい人は欲しいんだろうけど、俺は猫である。爪なんて爪とぎでバリバリやればすむのだ。


ご主人は剣を扱うので丁寧に手入れはしてるけど、これはいらないだろうな。


「……にゃ」


………頑張ったのグレイだからあげる。


一応、鑑定結果も伝えながら箱を渡すと、無表情で受け取って、収納にしまってた。


「爪のお手入れ動画でも撮るか…」


俺に渡されたから売るより使う方向で考えたらしいグレイ。


いや、そんなつもりじゃ無かったんだ、普通に売っても良いんだぞ?使い道あるなら構わないけどさぁ。


ちょっと申し訳ないと思いつつ、次の階層にいくと、壁紙が白地にランダム配置な四つ葉のクローバー柄に変わってた。因みに床は焦げ茶色のフローリングである。


「にゃ」


縁起良さそうな壁紙。


だが、ファンシーではないとも思う。原色緑の四つ葉のクローバーがパステル系であればワンチャン……ファンシー?


進むごとに忘れ去られるファンシー、既にちょい出ししてるウサギしか可愛い要素がないのである。


26階という折り返し階層にて、このダンジョンがファンシーダンジョンということを思い出した。


だって、お題で書かれたんだもの。


「ファンシーな森でファンシーな熊さんに出会った!花咲く森の道を通ってファンシーな熊さんから逃げろ!制限時間26分」


この、急にファンシーファンシー言い出す感じ、なんだか笑ってしまう。


「キュー?」


部屋の中で花咲く道を通って熊から逃げろとか無理では?という正論をぶちかましたヤクシであるが、同意しておく。


『花咲く道ならーマリモちゃんがー増やしちゃうのよー』


そうだ、我々には植物魔法のスペシャリストが居られたのだ!一気に難易度下がったぞ!


俺が許すし、俺もやる!部屋の中を一面お花畑にしてやれ!

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