第367話 19階 チャレンジルーム


セーフティハウス内なので、見張りとかも必要なく、普通に風呂まで入っちゃった俺達は、スッキリとした目覚めでダンジョン2日目を迎えた。


えーと、19階だったよな?


「チャレンジルーム!可愛い物が作れたら豪華アイテムをプレゼント!用意されてる手芸用品を使って自由に作ってね!可愛くなかったらモンスターが叱りにくるぞ!と書かれているが?」


「うにゃ」


用意されてる物による。


というわけで中に入ると、刺繍エリア、ビーズエリア、裁縫エリア、編み物エリア、と机で区分けされていた。


「ミシンがあるので裁縫にしよう」


出来なくはないけどグレイにお任せする。その間マリモちゃんは魔苔になったし、ヤクシはグレイの見学である。


俺はストレージから錬金釜を取り出して、ビーズとか金具とかワイヤーとかを放り込んで錬金!にゃんこ顔キーホルダーの完成!


作成物はちゃんと提出用の台座があるので、それ以外の作成物はどうなるか検証だ。消えたら魔力の無駄使い、消えなかったらタダでグッズ作成が出来る。


というわけで、じゃんじゃか釜に突っ込んでミロクグッズを作成していく。


「……出来たんだが?」


ちょっと不貞腐れてるような声だったのは気のせいだろう!


「にゃ」


お疲れ。


いったい何を作ったのかな?と見てみると、ウサギのぬいぐるみだった。


「うにゃ!」


裏切り者!


「何がだ!?」


「うにゃにゃ!」


ウサギに浮気するなんて!


「ここのダンジョンの好みを考えての選択だが?」


「にゃ」


ならよし。


そうだな、このダンジョンウサギ推しだからウサギのぬいぐるみが良いよな。うん、このダンジョンの『可愛い』は時々おかしいから、安全なところを選ぶのは真っ当な判断だった。


台座にウサギを置くと、パンパカパーン!という音と同時に手芸用品が消えて宝箱が出てきた。


「にゃにゃぁ!」


よっしゃ勝った!


そして作成したグッズは残った。一応少しはラック値アップがついてるので、売れる!忘れないようにストレージにポイしておこう。


「あー、グッズの新作か」


「うにゃ」


ビーズとか買わないからな。


ダンジョンドロップで数を作るのも素材確保に周回しなきゃだから大変なのだ。


結構な数が作れたので、しばらくは大丈夫なはず。


高村曰く、出した端から売れていくとか言ってたけど、多少ラック値の上がる猫グッズなんて………希少だったわ。希少過ぎて転売ヤーがわいて高村に処されるってギルドの職員が言ってたわ。


皆ドロップ率で苦労してるんだなぁ。


ところで、宝箱の中身がメイクのプロとかが使ってそうな化粧箱なんだが?ちゃんと中も揃えてあるやつ。


……欲を言うならご主人が使えそうな豪華アイテムが良かった。

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