第365話 17階の熊18階の犬


17階はパステルグリーンなウサギ柄だった。


そしてお題はまたしても討伐系だった。


ただ、モンスターはテディベアのふりした極炎熊だったので、床から火がついて壁紙も燃えていた。ついでに天井も焦げて煤けて真っ黒だった。


『環境変化階層にーしてあげてよーだからこうなるんだよー』


マリモちゃんが正論ぶちかました。たぶん皆思ってる。


だって極炎熊って毛皮に炎を纏ってる、マグマとかある感じのダンジョンに出没するモンスターだもの。


普通の部屋に出すモンスターじゃ無いのに環境変化階層にしなかったのなんでなん?


「キュー」


とりあえず土かけとくね。とヤクシが土じゃなくて岩をボコボコ当てだしたので、俺も土の塊を当てる。


燃えてるのに水をかけたら水蒸気爆発が怖いので、土とかかけるのがベストだ。いや、モンスターだから倒したら火も消えるんだけどな?熱された水とかこっちに跳んできたら嫌じゃん?


マリモちゃんは火に強いといっても不快なわけじゃないのでお休み、グレイも流石に受けたくないようなのでお休み。


俺とヤクシで、遠距離からバシバシ魔法を当てて倒しました。ごめんね熊さん、俺のビューティフル猫毛がチリチリになるのは世界の損失なので接近戦はしないのだ。


まぁ、魔力ガードしてるからちょっと熱い程度ではあるんだけどな!



極炎熊が消えて、ドロップ品が落ちたんだが……温めて使うパックみたいなのだった。たぶんご主人は使わないので売ると思う。


「にゃー」


なんか普段通りに戦えないダンジョンではあるよな。


「真面目にやらせない工夫だけはしてるな」


そもそも壁紙からして緊張感なくすやつだもんなぁ。


この頭花畑みたいなダンジョンを武装集団が移動してると考えただけでウケる。


18階の前にちょっと休憩してトイレ、俺は綺麗好きな猫なので、ちゃんとセーフティハウスに入って猫砂トイレでやったぞ。


ついでに回復の水を飲んで、おやつも食べた。やっぱり適度な休憩は大事だよな!


そして18階、白のウサギ柄でお題はバウワウトラップをクリアせよだった。


「にゃー」


バウワウトラップってなんだ。


思わず言っちゃったが、皆がわかるはずもなく……中を見た方が早いということで部屋に入った。


部屋の真ん中にお座り状態のパグ風幻影つきのラージウルフが居た。そしてその目の前には大きめの餌皿に骨付き肉が10個置かれていた。


あー、なんか見覚えあるぅー。黒ひげ危機一髪系のオモチャにあるやつー。でもあれってパグじゃなかったようなー?


「可愛さで変えたのか、パクりを気にしたのかどっちだ?」


「キュー?」


どっちもじゃない?とヤクシは興味無さそうだった。


「うにゃぁ」


詳しい説明無いところが既に酷い。


どうなればクリアなのか?皿の骨付き肉は取れば良いのか?ラージウルフが襲ってきたら負けなの?倒したらどうなるの?正しい遊び方を知りたいなぁ。


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