第364話 16階 見た目など関係ない
なんとも言えない感じで15階をクリアしたあと、16階へと進んだんだが、壁紙が淡い水色の下地にパステルイエローのウサギの頭柄だった。
もちろん、ウサギの頭はイラスト風の丸に耳をつけただけのやつだ。
このダンジョンのウサギ推しはなんなんだろうな?猫でも良いだろ猫でも。
「えーと、可愛い勝負!倒せるもんなら倒してみやがれ!罪悪感がハンパないんだからな!と突然のキレ芸が出てきた」
「にゃー」
討伐系あるあるだって載ってた。
可愛い感じにデフォルメされたモンスターがうるうるした目で『痛いことしないで!』という感じで襲ってくるらしい。
因みに、鑑定スキル持ちによるネタバレがされていて、ここの可愛くなってるモンスターは幻影スキルにより見た目が変わってる風に見えてるだけなんだそうだ。
だからテイムしても外に出したら元のモンスターの姿に戻る。テイマーにとってのトラップモンスターである。
「キュー」
元の可愛さで勝負出来ない時点で負けてるよね。とヤクシが辛辣コメントしてる。
可愛いかもしれないじゃないか!元も可愛いかもしれないじゃないか!言わんけど!
確かめるべく扉を開けると、二足歩行のゆるキャラ風ブタさんが5匹いた。4匹は柔らかそうな棍棒を持っていて、1匹はオモチャっぽい剣を持っている。
「にゃにゃぁ」
オークリーダー1匹と、オークエリート4匹。
「見た目変えすぎでは?」
グレイが言いながら、振り下ろされた棍棒を盾で防いでカウンターで倒してたんだけど、盾に当たった時凄くガゴッとか固い音がした。
ヤクシはグレイに防御力アップをかけてから、新しく覚えた小技魔法で応戦中。
俺はひっかいたら終わった。
えげつないのがマリモちゃんで、レベルが上がって操れる物が植物由来の武器も含まれるようになったらしい。
つまり木の棒である棍棒から、木のトゲを伸ばしてオークを突き刺してた。自前の武器が自分を攻撃してくるとか、一昔前の悪役がやりそうな攻撃だ。もっとやれ!
というか、皆して瞬殺出来るくせに新技試す場にしてるのなんで?レベル差有るから普通に一撃必殺出来るでしょ?
「にゃー?」
何でゆっくり戦ってんの?と聞いてみたら、幻影ありのモンスターと戦ったことが無かったから、少しずつ傷をつけたらどうなるか気になったと皆に言われた。
そ、そんなん気にしたこと無かった……
ちょっとショックを受けてたら、ヤクシから効率厨だから仕方ないとか言われた。
納得した。
因みに、ドロップ品は豚足だった。確認したグレイが、どうしろと?って顔してたので、食事で豚足出てきたらご主人が引きそうだからコラーゲンの抽出とかで使うと言っといた。
美味しいんだろうけど、食事で冒険しないご主人はホルモンすらちょっと苦手なので、豚足とか無理よりの無理である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます