第362話 14階でボーナスステージ
14階なのだが、ボーナスステージ!と書いてあった。
「うにゃ」
これが都市伝説のボーナスステージ。
「本当に有ったんだな、ボーナスステージ」
「キュー」
遭遇率低すぎて都市伝説だからね。
『さすがのー幸運猫ですわー』
一応あるとされているボーナスステージに遭遇した。このボーナスステージは何回攻略しても出会えない!って探索者が居るくらいに出ない。
このダンジョンの常連さん達には都市伝説とか白昼夢扱いされてるのだ。
「ボーナスステージではアイテムカタログから1つ選んでプレゼントされます、それぞれ欲しいものを選びましょう。だとさ」
中に入ると、人数分の机と、それに置かれているギフトカタログがあった。
アイテムはこのダンジョンの物だけだが、結構分厚いカタログだ。というかこんなにアイテム用意してるくせに今までの階層だとろくなもの無いんだけど?
「くっそ、五十音順やめろや、せめて階層ごとでまとめろ…」
「キュー」
変なのがチマチマ多いんだけどー。
『カタログのくせにー写真の他にーアイテム名とー分類しか書いてないー』
凄く文句言ってる。
写真は綺麗なビンで、アイテム名は潤いベール、分類は化粧水。これだけしか載ってない。
これならまだわかるが、先ほどのコットンは写真が白い箱だし、名前がモフパフ、分類が使い捨て小物とか書いてあるのだ。
「うにゃ」
俺もう化粧品作成キットにする。
写真を見る限り、化粧水のみのキットとかファンデーション用のキットとかあるけど、それを全部混ぜしたような写真のやつを選んだ。
因みに名前は化粧品作成キット30である。そう、1~30まで化粧品作成キットがあるのだ。たぶん30までだと思う!
五十音順に並んでるので数字がバラバラなのだ。何で数字の読み方で並べちゃったんだろうか?
「もうフルーツ盛り合わせにした」
「キュー」
ヘアケアセットにした。
ヤクシの選んだヘアケアセットはシャンプーやヘアオイル、ドライヤーまでのセットらしい。
『マリモちゃんはー傷消しクリームのーレシピ付きセットにしたー高く売れそうでしょー?』
レシピ!レシピには気が付かなかった!分類が回復薬だから、傷隠しじゃなくて傷痕を消すクリームだと思う。
美容整形とか回復の水が飲めない人に売れるな!
これで決定!と用紙に記入すると、カタログが消えて、机の上に宝箱が出現した。
開けて中身を取り出しても宝箱は消えなかったので、もう一度詰め直して、宝箱ごとストレージに入れた。
ストレージや収納鞄が無かったら宝箱は邪魔だ、あったらまとめられて便利だが一度中身を出して宝箱が消えないか確認しなきゃならない。
……このダンジョンのこれまでの所業を考えると、これすらも嫌がらせのような気がしてくるから普段の行いって大事だなって思う。
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