第361話 13階の羊トラップ
俺が壁を終わらせて、いざ床を!と思ってたら、モンスターが湧いた。
時間経過か、数えた羊の総数かはわからないが、これは妨害モンスターだ!
因みに羊のモンスターで、数えてる人に向かってモフモフアタックを仕掛けてくる。
数えるのに集中していたら突き飛ばされてることだろう。だがしかし!無駄にレベルだけは高い、ちょうど壁を数え終わった俺が気付いてしまった!
グレイにモフモフアタックを仕掛けに行った羊は、猫パンチ一発で出落ちした。
一応、しばらく羊が出現した場所を見ていたが、2匹目は無かったので床を数えることにした。
そうして、それぞれ壁が終わり、床と天井を数えてる間に再度羊が出てきたが、今度はグレイの蹴りで消えた。
ちょうど数えてる場所だったので、普通に邪魔!と言いながら蹴っていた。
いつの間に足癖悪くなったんだろ?
因みに、家で掃除機かけてるときに俺が床で寝てたら、掃除機で吸いにくる。動かないと掃除機の前のモップとして移動させられるのだ。
まぁ、床に落ちてるのはだいたい俺の抜け毛なので、俺をモップにするとゴミがわからなくなるんだけどな。
「キュー!」
終わりー!
『マリモちゃんとーヤクシの合計はー130でしたー!』
「こちらも終了した俺の数えた羊の数は63だ」
「にゃ」
67だった。
つまり合計は260だな!
「合計はにひゃくろくじゅ」
「にゃ!」
答えてる間に羊が湧いたので消しといた。数が変わっちゃうだろ!とんだトラップ羊だ。
「260だ」
羊が消えてからグレイが答えると、階段とアイテムが現れた。
「キュー?」
何これ?とヤクシが首を傾げるのも無理はない。何の表記もない真っ白な箱が30箱積まれてるのだ。
箱は縦10cm、横20cm、高さ7cmの小さめな箱で、開けるための切り取り線が入ってる。
俺は鑑定で何かわかったので、このなんとも言えない感じを皆にも味わって欲しくて1つ開けさせてみた。
「これは……」
「キュ?」
え?
『わたー?』
そう、箱の中身は脱脂綿。化粧用品として使うコットンである。
白いモフッとした物ということしか羊との共通点はない。
よしよし、皆『えぇ?』って顔してるぞ!正体がわかった時の俺の気持ちがわかるだろ?
「手間と報酬が釣り合って無いんだが?」
「うにゃ」
アイテムあるだけマシ。
だってこれ、羊を倒したドロップアイテム扱いだもの。世の中の探索者はこのお題をクリアしてもドロップ率次第ではアイテム無しとかあったりするんだぞ?
そう説明してやると、グレイはあまりのあんまりさにドン引きしたし、ヤクシは珍しく探索者たちに同情的だった。
そしてマリモちゃんは無言で魔苔を壁に植え付けた。マリモちゃん的にもこのダンジョンは無しの分類だったらしい。
ただ、このダンジョンはパーティーごとに空間作ってるタイプなので、俺達が出たらここは消えるんじゃないかな?
まぁ、止めはしないけどな!俺だって次の階層からは壁紙とかビリビリにしてやろうと思ってるし。
俺達は、定期的にこのダンジョンに入らなきゃいけない化粧品会社の人達に同情しながら14階に行くのだった。
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