第355話 9階はただの嫌がらせ?
9階は魔法少女に変身して、魔法少女の初期技であるマジックスターという、手のひら大の星形魔力が敵に飛んでいく魔法があるんだが、その初期技だけで敵モンスターを倒すというお題だった。
ちゃんと魔法少女変身用ステッキも用意されていて、ステッキについてるボタンを押すと魔法少女風の衣装に変身するのだ。
因みに衣装はフリフリミニスカドレスタイプで、色はパステルピンクだった。
変身用ステッキは魔法少女の攻撃媒体にもなるので、持って戦わないといけない。黄色の星に、ピンクの持ち手、星の真ん中には星形の赤い宝石っぽいものが填められている。
3~5歳くらいの女児は大喜びするだろうが、ダンジョンに来るのは成人済みの男性多め。女性でもちょっと遠慮するやつである。
「……何で俺が、こんな」
そして、魔法少女に変身したグレイは牛柄の髪がツインテールになっていて、短めのスカートと白のニーソックスで絶対領域をつくっている。
「うにゃ」
イケメンだからまだマシ。
うん、見れなくは無いよ?細マッチョでデカイ魔法少女だなって思うけど。
「キュー」
残念。と最初に僕がやる!と立候補して使えなかったヤクシがしょんぼりしている。
いやぁ、人にしか使えなくって、残念だったなぁ!とちょっとニヤニヤしたのは内緒だ。
ヤクシには後で変身アイテムを作ってやろうと思う。
「にゃー」
頑張れー。
「キュー」
負けるなー。
『早くー終わらせてねー』
お題に従うなら俺達は応援しか出来ない。ん?マリモちゃんは応援じゃない?いやいやグレイ、マリモちゃんはこれで応援してるんだぞ?
「そして、モンスターはオークかよ!?」
やる気ナシナシ魔法少女が部屋に入ったら、オークがいた。
なんかいきなり普通のモンスター出してきたな?魔法少女が凶悪なモンスターを倒すことこそ重要だってことかな?
でも初期技しか使えない状態で、初めての職業である魔法少女で、いきなり戦えとか厳しいだろ。
グレイには回避優先で中距離を保って攻撃は頭部に集中して当てとけば大丈夫ってアドバイスはしといたけど、オークかぁ。
グレイにはフェアリー成分も入ってるので魔法系の扱いは得意なんだが、ステッキ振らないと魔法が発動しないのがなぁ。
グレイはオークと距離を取って、逃げながらもオークの顔を狙ってステッキをブンブンフリフリしてる。
「キュ」
謎にスカートの中が見えない仕様だね。とヤクシが呟いたので見てみたら、本当に見えない。
グレイ……ドールだから下着とかはいてないんだよなぁ。グレイの体って肉っぽいものがあるマネキンみたいなもんだし。
「にゃぁ」
それにしてもオークがタフだな。
『魔法少女ーレベル1みたいなーもんだしねー』
単純に火力不足で倒しきれないみたいだが、地味にオークのHPは削れてる。
「くっそ!マスター!お題とかもう良くないか!?魔力も魔法少女仕様になってて魔力切れが近い!」
「うにゃ」
はい魔力譲渡。
「……そういえば持ってたなぁ!」
持ってました。頑張れ。
この後、3回くらい魔力譲渡してオークを倒した。ゲームでいうところの通常攻撃縛りのボス戦っぽくて意外と面白かったぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます