第354話 ファンシーじゃない8階


グレイが沼ワニを洗濯している間に、床に飛び散った泥を洗浄&乾燥。


「にゃぁん」


泥を流しても3分くらいで体内に貯めてる泥を分泌するらしいぞ。


鑑定結果を共有して、ならば飾る準備をしとこうと、浮いてるリボンや洋服を回収した。


「よし、ぐったりしたな!解放するぞ!」


ちょっと溺れてぐったりしたのを確認したグレイは、汚くなった水の中から沼ワニを出し、洗浄&乾燥魔法で仕上げた。


そして、リボンを尻尾に結び、ピンクのヒラヒラがついたお姫様ドレス風の服を着せ、花冠を被せ、口には何故か口紅を塗った。


まぁ、無事に可愛い判定されたようで階段が現れた。沼ワニも一緒に消えてしまったので、得るものが何もない階層だった。


……というかこのダンジョン、グレイ無双なのでは?今のところグレイが居なかったら大変なお題が結構あるんだが?


「可愛いってなんだろうな…」


「キュー」


僕たちのことだよ。って普通に言えちゃうヤクシも強いなぁ、確かに俺達は可愛いけれども。


「このダンジョン、もしかしてセンスが悪いのでは?」


「にゃー」


今頃気がついたのか。


ダンジョンの壁を水玉模様にしてるんだぞ?センスが良いと思ったのか?


「美的感覚がおかしくなる前に出たいな、次に行こう」


8階のお題は白いテディベアを倒せだった。もうシンプルに討伐系だなんて嬉し過ぎる。


そして、部屋に入って待ってたのは……白熊だった。


確かに白いとは書いてあったが、テディベアとも書いてあったよな?何で見た目白熊なんだ?


鑑定的には確かにホワイトテディベア(変異種)と書いてあった。テディベア系モンスターはその可愛さからテイマーに人気だし、確かにぬいぐるみのような姿をしている。


「うにぃ」


ホワイトテディベア(変異種)らしい。


「テディベア系!?変異しすぎだろ!?」


グレイは言いながら、振り下ろされた白熊の腕をパリィする。


まぁ、俺達にとっては熊だろうが雑魚なのだ。


特に何の問題もなく倒した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る