第352話 わからなくなるファンシー
パシンパシンとモンスターを叩き落としてドロップ品に変えること数分。すべての材料が揃った。
……なんかお菓子の家に庭が出来てるんだが?あれ、生クリームに緑の色素入れてるのか?微妙に緑のつぶつぶも散らしてあるなぁ………ってわざわざ色別に分類したのか!?
なにやってんだコイツ?
屋根もなんだか赤い鱗状の瓦みたいになってるし、壁は石壁風になってるし、ドアは木目まである。
「にゃぁ!」
こだわりすぎだろ!
たった数分でどうやったの!?なんか窓まで着けちゃってるけど?ガラスじゃなくて飴だよな?固まる時間あった?
「あ……すまん、お菓子の家なんて作る機会無いので料理スキル使ってついつい完璧を目指してしまった」
お菓子で作られた家ではあるけど、リアルな家過ぎてファンシーではなくなってるんだが?
「よし、完成だ」
グレイが宣言した瞬間、お菓子の家は消えて階段が現れた。
「キュー?」
消えたお菓子の家は何処へ?とヤクシが首を傾げている。
「……写真を撮って颯人様に送りたかったのに」
グレイも残念そうだ。まぁ一応動画はあるんだから後で見せれば良いだろ。
さて、次は6階なんだが………壁紙が水玉模様になった。白地にパステルピンクの水玉だ。結構デカイ水玉だから良いが、小さな水玉ならドット模様にしか見えずに目がチカチカしただろう。
「にゃぁ」
入る前に休憩しよう。
俺の腹時計がお昼をお知らせしている。俺は1日の総量は変わらずとも3食食べたい猫なので、昼御飯の時間だ。
まぁ、カリカリにササミトッピングなんだけどな。因みに生肉も一応食べれはするんだが、人間だった記憶があるので拒否感が強い。ダンジョン肉とか安全なんだろうけど生肉はNGだ。
俺が食べてる間、グレイがお題を確認したらしく教えてくれた。
「大小様々な宝箱を、その中に紛れているミミックを引き当てずに全て開けろ。だそうだ」
「にゃぁ」
俺無双じゃん。
見れば一発では?というかファンシー?
「それが鑑定スキルも引き当てた判定らしい」
「キュー」
気配察知があるでしょとヤクシが言った。
「気配察知については書いてなかったので……ありか?」
「うにゃー」
どうせハズレは引かないと思う。
幸運さんが仕事してくれる筈!やっぱり俺無双なのだ!
「あー……そうだな」
「キュー」
それもあったね。
『お猫様のー存在がーファンシー?』
マリモちゃんのファンシーが迷子になってる……いや、ダンジョンさんのファンシーもだいぶ迷子だけれども。
「にゃにゃー」
ファンシーファンシー思いすぎてファンシーがゲシュタルト崩壊してきてる。
あれ、そもそもダンジョンはファンタジーなのでは?
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